内覧会から帰って来た娘たちに、その内容を聞きもしなかったのに、「今年中になんとかしたい」と気持ちが逸ってきた6か月後、「お母さん、このお寺ならお骨を移す気にならない?」と次女がふと言うので、見学に行った。
手放しで気に入ったのは、「何もかもハイグレード。(亡き)夫の美的センスに合う。一家の最高の居場所になり、故人たちが喜ぶ」と思ったからだ。京都天が瀬メモリアル公園に分骨し、新宿瑠璃光院の厨子に入れる遺骨も30年後にそこに移す方法で、「骨を土に返す」命題もクリアした。
「新宿なら家から40分で来られるし」。浄土真宗からの改宗は、「そういうことにはちっともこだわりませんのよ」と話す。
購入したのは「家族用」のお墓だ。平塚のお墓の中は、遺骨と、写経の朱書きが移ったのであろう赤土が混在していたが、新宿瑠璃光院の人が丁寧にピンセットで分けてくれ「頭が下がる」思いだったと。厨子には、5人の遺骨を桐箱に一堂に入れた。
「100%満足です。私もいずれ、ここに入り、先は京都・宇治の満天の星の下に眠るの、楽しみだわ」と目を輝かせる小川さんは、毎週日曜の仏教礼拝に参加し、「お勉強させてもらっています」とも言う。
※女性セブン2017年3月30日・4月6日号