スポーツ

野村克也氏 「巨人戦は相手が10人」を痛感した開幕戦回顧

名監督が痛恨の開幕戦を振り返る

 どんな大打者、大エースでも開幕戦は特別な緊張感があるというが、それは指揮官も同じだ。名将・野村克也氏がヤクルト監督1年目の1990年の開幕戦、巨人対ヤクルト戦(東京ドーム)の思い出を振り返る──。

 * * *
 現役時代を南海、ロッテ、西武で27年間、監督としてヤクルト、阪神、楽天で16年間(兼任監督を除く)過ごしたが、やっぱり開幕戦は正月気分だな。開幕戦はあくまで「143分の1」という監督もいるが、最初の1勝は早い方がいい。

 相手がエースを出してくる開幕戦は捨てゲームと考え、2戦目にこちらのエースを起用して五分に戻そうというやり方だと、開幕戦に投げたかったエースがヘソを曲げる。だから長いペナントレースを考えるとやりづらい。特に弱いチームが開幕戦に負けると、ずっと負け続けるような気持ちになる。弱いチームにいたことしかないから、勝ちたい気持ちは強かったよ。

 ただ、V9時代の巨人は開幕戦に弱かった。それは巨人戦になると燃える選手がいたから。開幕戦が巨人相手だと監督も必ずエースをぶつけ、エースも名誉に感じて投げる。江夏豊が典型だが、昔はそんな選手が多かった。

 現役時代は日本シリーズでしか巨人と当たれなかったから、ヤクルトや阪神の監督時代の巨人戦は、とにかく一泡吹かせてやりたかった。監督として記憶に残る開幕戦も巨人戦が多い。

 1990年の開幕戦のことは今でも鮮明に覚えている。ヤクルトの監督としてセ・リーグ1年目で、開幕前に「巨人戦は相手が10人いると思った方がいい」と何人もの監督経験者から聞いていた。要は、審判が巨人贔屓という意味。それを痛感した試合だった。

関連記事

トピックス

17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者
【新宿タワマン刺殺】ストーカー・和久井学容疑者は 25歳被害女性の「ライブ配信」を監視していたのか
週刊ポスト
本誌『週刊ポスト』の高利貸しトラブルの報道を受けて取材に応じる中条きよし氏(右)と藤田文武・維新幹事長(時事通信フォト)
高利貸し疑惑の中条きよし・参議院議員“うその上塗り”の数々 擁立した日本維新の会の“我関せず”の姿勢は許されない
週刊ポスト
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
高橋一生と飯豊まりえ
《17歳差ゴールイン》高橋一生、飯豊まりえが結婚 「結婚願望ない」説を乗り越えた“特別な関係”
NEWSポストセブン
西城秀樹さんの長男・木本慎之介がデビュー
《西城秀樹さん七回忌》長男・木本慎之介が歌手デビューに向けて本格始動 朝倉未来の芸能事務所に所属、公式YouTubeもスタート
女性セブン
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
女性セブン
フジ生田竜聖アナ(HPより)、元妻・秋元優里元アナ
《再婚のフジ生田竜聖アナ》前妻・秋元優里元アナとの「現在の関係」 竹林報道の同局社員とニアミスの緊迫
NEWSポストセブン
大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田首相の脱法パーティー追撃スクープほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田首相の脱法パーティー追撃スクープほか
NEWSポストセブン