投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の3月27日~3月31日の動きを振り返りつつ、4月3日~4月7日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落。週末には安値引けで節目の19000円を下回っている。週初は米国のオバマケアの代替法案成立を巡る法案取り下げを受けて、トランプ政権が他の政策課題を実行する能力に疑問符が付く結果となり、嫌気売りが先行。終値で2月9日以来の19000円を割り込んだ。
ただ、週明けの米国市場では、トランプ大統領の政権運営能力に懐疑的な見方が広がったことから売りが先行するものの影響は限定的に。これにより、翌火曜日は自律反発の展開から前日の下落部分を吸収している。3月期末決算企業の権利取り最終日となることもあって、配当志向の物色のほか、配当再投資に伴う買い需要への思惑が下支えにもなった。
その後も、トランプ政権に対する不透明感が根強いものの、原油相場の上昇が好感されたほか、堅調な経済指標による米経済の力強さに対する楽観があらためて広がり、日本株についても底堅さが意識された。しかし、年度末に伴う機関投資家の益出しの動きからか、連日で後場半ば辺りから急速に値を消すなか、センチメントを悪化させた。
週末の日経平均は前日同様の時間帯から売られるなか、安値引けとなった。引け味は悪いが、機関投資家等の益出しはある程度は警戒されていたこともあり、名実ともに新年度相場入りとなる週明けに仕切り直しといったところであろう。今週は米雇用統計などを控え、米国の利上げ回数への思惑が高まりやすく、これが為替市場の円安に向かわせる可能性がある。
日経平均はもち合いレンジ下限での推移であり、シグナルは悪化傾向にある。これまで新年度初日は売られる傾向にあり、レンジを明確に割り込む可能性もありそうだ。ただし、先回り的に益出しの流れが出ていたこともあり、レンジを割り込んだとしても、いったんは押し目拾いを意識しておきたいところであろう。過去の需給面では、4月については海外勢による買い越し基調が続いており、これも押し目拾いを意識させておきたい。