日々の生活の中で、たまっていくストレス。今回は、家事などを早くやろうとしているのに、なぜか時間がかかってイライラする…そんな時の対処法を、ワンポイトでご紹介しよう。道具いらずで、時間も場所もとらない。でも、驚くほど効くストレス解消法だ。
“早くしなくちゃ”という焦る気持ちはどうやったら鎮められるのだろうか。
家事などのストレスによってイライラするのは人間の本能、というのは、筑波大学准教授で、武道家の湯川進太郎さん。
「“何をやっても時間がかかる”“いつも時間に追われている”などと感じるのは、闘争・逃走反応が働いているから。
人間は、ストレスにさらされると、闘うか逃げるかの選択をします。家事も、面倒だと感じたら、ストレスになるので逃げ出したくなる。にもかかわらず、“早くしなくちゃ”と気が急せいてしまい、その結果、時間がかかっているように感じて、余計、イライラしてしまうのです」(湯川さん、以下「」内同)
まじめな人ほど、この悪循環に陥りやすいとも。
「現代人は、何事も早くしなければと、せっかちになりがちで、そうなると、1つのことに集中できなくなります。まずは、本来の落ち着きを取り戻すこと。そのためには、あえてゆっくりした行動を心がけましょう」
だが、焦っている時に、“ゆっくり”といわれても、なかなかうまく気持ちが切り替えられず、かえってストレスの原因に。
「そんな時は太極拳がおすすめです。太極拳には“起勢”という動きがありますが、これは腕をゆっくりと上げ下ろしするもの」
やり方を3つのポイントで解説しよう。
【1】体の力を抜く
椅子やベッドに腰かけ、背筋を伸ばして、両腕の力を抜いて膝に置く。目は閉じても開けてもどちらでもOK。
【2】両腕をゆ~っくり上へ
手のひらを下に向けたまま、息を吸いながらゆ~っくり(10秒ほどが目安)、両腕を肩の高さまで上げていく。できるだけゆ~っくり。
【3】深~く呼吸する
両腕が肩まできたら、息を吐きながら、ゆ~っくりと下げていく。呼吸は深く、3分くらいは続けて。
「この時、自分の中で“最大のゆっくり”を心がけます。何回目かなどと、数えないで3分くらい続けること。ゆっくり行うことで呼吸も自然と整い、気分も落ち着いて、集中力も高まりますよ」
※女性セブン2017年4月13日号