東京は25小選挙区のうち13選挙区で1票の格差が2倍を超え、多くの選挙区で境界が変わる可能性が高い。しかも、人口の少ない地方は選挙区が広がるだけだが、人口の多い都市部では選挙区がより狭く、線引きが複雑になる。
区割り審では、東京1区(千代田、港、新宿)の新宿区を分割して一部を東京2区(中央、文京、台東)に編入し、その2区からは台東区の一部を東京14区、中央区の一部を東京15区に振り分けるというように玉突き式の区割り変更が検討されている。東京選出の議員がぶちまける。
「悪いときには悪いことが重なる。選挙区の入れ替えが行なわれたとき、新たに加わった選挙区の有力者に顔をつないでくれるのは地元の自民党都議だ。だが、その頼みの綱の都議たちが7月の都議選で落選し、一緒に落選の挨拶回りなんてことになったら洒落にならない」
全国で一番有権者の混乱を招きそうなのが東京7区(中野区、渋谷区)。民進党の長妻昭氏と自民党の松本文明氏が激戦を展開することで知られるが、「長妻を落とせ」とばかりに非常に複雑な区割りが検討されているという。
「前回選挙では7区は東京で唯一、自民党が民主党に負けた。そこで新区割りでは長妻の地盤が強い中野区を分割して約13万人を他の選挙区に移し、代わりに品川区から約3万人、杉並区から約1万人、世田谷区から約8万人を入れて差し引き1万人を減らす案が有力」(自民党都連関係者)というのだ。