「エブリデイ・ドット・コム」でうまくいったのは、近所のサラリーマンに“副業”として配達を手伝ってもらうことだ。地方のサラリーマンは、たいがい車の免許を持っているので、出勤前や帰宅後に自宅周辺の家に配達してもらうのである。配達料は1個100円。朝夕10個ずつでも1日2000円稼げるわけだ。依頼する側としても、ヤマト運輸や佐川急便より安くつくので、コストが削減できる。
これは“空いているもの”を利用した「アイドルエコノミー」の一つである。
宅配業者の専属ドライバーが早朝・夜間に配達すれば残業や過重労働になる。しかし、サラリーマンの空いている時間を利用した副業なら、何も問題はない。また、大半の主婦は朝や夜の配達を嫌がるが、近所の顔見知りのおじさんなら安心だ。
今はスマホがあるから配達・集荷の手配も簡単だし、時間に余裕のあるサラリーマンも多いだろう。電車通勤が中心の東京などでは、飛躍的に普及している電動自転車で配達してもらうという方法もある。
※週刊ポスト2017年4月21日号