芸能

元科捜研所長 刑事ドラマに「3割のリアル」与える監修術

撮影現場で細かく指示を出す倉科氏(左)

「ホトケさん(遺体)が乗ってる車の位置を特定するため、そのメジャーで電柱との距離を計ったりするんだよ」

 4月20日から放送が開始される刑事ドラマ『緊急取調室』(テレビ朝日系、木曜21時~)の撮影現場に、監督や俳優たちに次々と指示を出す人物がいた。

 老練な刑事のような雰囲気を醸すその人は、倉科孝靖氏。1969年、警視庁の刑事を拝命以降、科捜研所長や渋谷署の署長などを歴任した人物だ。警察社会の“生き字引”といえる。

 倉科氏は現在、そのキャリアを活かし、ドラマや映画の「警察監修」として活躍している。警察の慣習や専門用語、現場での動きなどをアドバイスするのが主な仕事だ。監修者はいまや刑事ドラマに欠かせない存在になっている。

 冒頭の指示は、メジャーを持つ鑑識役の俳優を指導していた際の一言。こうした指示を逐一、出していく。台本片手に現場を取り仕切る常廣丈太監督にとっても、倉科氏は心強い存在だ。

 第1話の撮影現場ではこんなやりとりがあった。所轄と県警本部の刑事が出会う何気ないカットで監督が「こんな場合の挨拶って?」と聞くと、倉科氏は「殺人現場の緊迫した中なので会釈くらいで十分ですよ」とアドバイスし、役者に指示が出る。

 遺体を運ぶシーンでは、倉科氏の「“PS(ポリスステーション)行きます”で、どうですか」という提案を受けて、それまでの台本が書き換えられた。プロの助言を受けてよりリアルなドラマへと磨かれていくのだ。

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