ライフ

慢性の筋肉の痛み「MPS」 新要因判明で適切な治療期待

筋・筋膜性疼痛症候群について医師が解説

 筋・筋膜性疼痛(とうつう)症候群(MPS)の所見は、筋肉が疲労しやすくなっている、筋肉が固く伸びにくくなっている、筋肉内に押すと痛みを感じる固い小さなしこりがある、の3つだ。

 筋肉に由来する慢性痛としては線維筋痛症が有名で、ともに血液検査や画像検査を行なっても異常が見られないという共通点がある。しかし、線維筋痛症が全身に耐え難い痛みが恒常的に発生するのに対し、MPSの主な痛みの範囲は局所的であることが多い。また、MPSの痛みは神経痛のように電気が走る、ビリビリとした痛みと重だるい鈍い痛みに代表される。

 渋谷セントラルクリニックの大友博之医師に話を聞いた。

「例えば慢性的な肩こりの痛みは、骨格のゆがみなどの身体的な要因に社会的・心理的要因が複合的に作用し、発生することがあります。強いストレスがかかり、寝ている間も緊張が解けず、筋肉がこわばることで痛みが助長するわけです。近年、MPSは骨格のゆがみや関節可動域が狭くなるという原因に加え、ビタミンDや貯蔵鉄の減少、甲状腺機能低下も要因であることがわかってきました」

 筋肉は身体を動かすバネの役割を担っているが、実はホルモンや炎症を抑える物質などの分泌臓器でもある。筋肉がこるとマッサージなどで筋肉を緩めればいいと思いがちだが、筋肉の代謝機能が低下しているために痛みがなくならない場合は、揉むだけではよくならない。

 筋肉の代謝低下の原因の一つがビタミンDの減少だ。ビタミンDは骨の再生や炎症抑制、蓄積した疲労の解消、免疫力アップのほか、不眠症の改善、膠原病(こうげんびょう)やうつなど様々な病気にも関与している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
各地でクマの被害が相次いでいる(右は2023年に秋田県でクマに襲われた男性)
「夫は体の原型がわからなくなるまで食い荒らされていた」空腹のヒグマが喰った夫、赤ん坊、雇い人…「異常に膨らんだ熊の胃から発見された内容物」
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン