ビジネス

大企業で創業家見直しの機運 その3つのメリットとは

三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎氏

 経済学では、企業が成長する過程で「経営と所有(資本)の分離」が進むと考えられてきた。株式公開などによって創業家の持ち株比率が下がり、世代交代を機に一族ではない専門経営者がトップにつく。

 ソニー、パナソニック、東芝、シャープといった、かつて世界を席巻した“日の丸家電”メーカーは、まさにその象徴だった。

 ところが、ここにきて日本では創業家の存在が見直され、創業家が経営陣の方針に物申したり、経営トップの座を創業家に“大政奉還”する企業が目立つ。

 それは、歴代のサラリーマン社長による“責任不在”の経営によって危機に陥った東芝などと対照的に映る。ファミリー企業を研究する後藤俊夫・日本経済大学大学院特任教授は指摘する。

「創業家が経営を行なうファミリー企業のメリットは3つあります。1つは責任を持って経営にあたるので『リスクテイキング』ができる。企業にとって必要な対応を、決意を持って判断できるということです。2つめは、『迅速な決定』ができる。企業経営は一瞬の判断が勝敗を分ける。それが即座にできる。3つめが、『長期的な視野』に立つ判断ができる。権力基盤の弱いサラリーマン社長では、目先の結果にとらわれがちになるので、どうしても長期を見据えた判断ができない。

 が、創業家の場合、企業の将来が自分たちの将来と直結していますから、自然と長期的な発想で経営を行なえる。こうした点が、創業家の強みなのです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

オフの日は夕方から飲み続けると公言する今田美桜(時事通信フォト)
【撮影終わりの送迎車でハイボール】今田美桜の酒豪伝説 親友・永野芽郁と“ダラダラ飲み”、ほろ酔い顔にスタッフもメロメロ
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン