ビジネス

大企業で創業家見直しの機運 その3つのメリットとは

三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎氏

 経済学では、企業が成長する過程で「経営と所有(資本)の分離」が進むと考えられてきた。株式公開などによって創業家の持ち株比率が下がり、世代交代を機に一族ではない専門経営者がトップにつく。

 ソニー、パナソニック、東芝、シャープといった、かつて世界を席巻した“日の丸家電”メーカーは、まさにその象徴だった。

 ところが、ここにきて日本では創業家の存在が見直され、創業家が経営陣の方針に物申したり、経営トップの座を創業家に“大政奉還”する企業が目立つ。

 それは、歴代のサラリーマン社長による“責任不在”の経営によって危機に陥った東芝などと対照的に映る。ファミリー企業を研究する後藤俊夫・日本経済大学大学院特任教授は指摘する。

「創業家が経営を行なうファミリー企業のメリットは3つあります。1つは責任を持って経営にあたるので『リスクテイキング』ができる。企業にとって必要な対応を、決意を持って判断できるということです。2つめは、『迅速な決定』ができる。企業経営は一瞬の判断が勝敗を分ける。それが即座にできる。3つめが、『長期的な視野』に立つ判断ができる。権力基盤の弱いサラリーマン社長では、目先の結果にとらわれがちになるので、どうしても長期を見据えた判断ができない。

 が、創業家の場合、企業の将来が自分たちの将来と直結していますから、自然と長期的な発想で経営を行なえる。こうした点が、創業家の強みなのです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン