国際情報

革新系の韓国次期政権誕生、現実味を帯び金正恩は欣喜雀躍

「キレ」る寸前か!?(金正恩) AP/AFLO

 昨年12月、北朝鮮の金正恩・労働党委員長は最高幹部を前にして、「南朝鮮(韓国)世論に北南和解ムードを拡散せよ」と檄を飛ばしたことがわかった。この指示は、韓国社会にどのような影響を及ぼしたのか、ジャーナリストの城内康伸氏が報告する。

 * * *
 今年1月1日、正恩氏は国政方針を語る「新年の辞」で「南朝鮮では昨年、大衆的な反政府闘争が強力に繰り広げられた。保守当局への恨み、怒りの爆発だ」と韓国世論をあおった。 「北南関係改善を望む者なら、誰とでも喜んで手を取り合っていく」

 韓国次期政権を念頭に、南北対話の用意がある、と揺さぶりをかけた。韓国情勢は当初、正恩氏の期待通りに運んだ。

 韓国国会は大統領の弾劾訴追案を可決し、朴氏は職務停止に追い込まれた。憲法裁判所が弾劾審理を続ける中、国民の関心は次期大統領選挙に移った。韓国の世論調査によれば、革新系最大野党「共に民主党」の文在寅前代表が圧倒的な支持率でトップを走った。

 文氏は南北交流を進めた故盧武鉉政権で秘書室長まで務めた盧氏の最側近。1月に行った韓国メディアとのインタビューで「大統領に当選すれば、まず北に行く」と言ってのけ、北朝鮮南西部・開城工業団地の南北共同事業再開に積極的だ。

 保守系で唯一の有力候補と目されていた、潘基文前国連総長は2月1日、不出馬を表明。「人格殺害に近い攻撃を受けた」と理由を挙げた。北朝鮮の対南工作機関・党統一戦線部がインターネットを通じ、潘氏の不都合な情報を流布していた、との情報もある。

関連記事

トピックス

「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
グラドルデビューした渡部ほのさん
【瀬戸環奈と同じサイズ】新人グラドル・渡部ほのが明かすデビュー秘話「承認欲求が強すぎて皆に見られたい」「超英才教育を受けるも音大3か月で中退」
NEWSポストセブン
2人は互いの楽曲や演技に刺激をもらっている
羽生結弦、Mrs. GREEN APPLE大森元貴との深い共鳴 絶対王者に刺さった“孤独に寄り添う歌詞” 互いに楽曲や演技で刺激を受け合う関係に
女性セブン
無名の新人候補ながら、東京選挙区で当選を果たしたさや氏(写真撮影:小川裕夫)
参政党、躍進の原動力は「日本人ファースト」だけじゃなかった 都知事選の石丸旋風と”無名”から当選果たしたさや氏の共通点
NEWSポストセブン
セ界を独走する藤川阪神だが…
《セの貯金は独占状態》藤川阪神「セ独走」でも“日本一”はまだ楽観できない 江本孟紀氏、藤田平氏、広澤克実氏の大物OBが指摘する不安要素
週刊ポスト
「情報商材ビジネス」のNGフレーズとは…(elutas/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」は“訴えれば勝てる可能性が高い”と思った》 「情報商材ビジネス」のNGフレーズは「絶対成功する」「3日で誰でもできる」
NEWSポストセブン
入団テストを経て巨人と支配下選手契約を結んだ乙坂智
元DeNA・乙坂智“マルチお持ち帰り”報道から4年…巨人入りまでの厳しい“武者修行”、「収入は命に直結する」と目の前の1試合を命がけで戦ったベネズエラ時代
週刊ポスト
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン