朴槿恵氏の弾劾訴追を審理していた憲法裁判所は3月10日、韓国憲政史上、初めてとなる現職大統領の罷免を決定。続く31日には、検察特別捜査本部が、最大財閥サムスングループからの巨額収賄などの容疑で、大統領としての不訴追特権を失った朴氏を逮捕した。
革新系の韓国次期政権が実現すれば、南北対話を進めて関係を修復し、国際制裁による孤立からの脱却を図る。頭の中で描いていたストーリーがいよいよ現実味を帯び、正恩氏は欣喜雀躍したはずだ。
●しろうち・やすのぶ/北朝鮮事情に精通するジャーナリスト。主な著書に『猛牛(ファンソ)と呼ばれた男』『昭和二十五年 最後の戦死者』『朝鮮半島で迎えた敗戦』など。
※SAPIO2017年6月号