国際情報

中国受注のインドネシア高速鉄道 進捗5%で2019年開業は…

インドネシア高速鉄道事業の現場

 2015年秋、インドネシア高速鉄道の受注を日中で競い合った。日本は、最終盤で逆転され、中国案に決定。手痛い敗北となった。それから1年半。受注決定直後にもインドネシアを訪ねたノンフィクションライター・水谷竹秀氏が再び現地入りすると、意外な光景が待ち受けていた。

 * * *
 新緑の茶畑が広がる砂利道を車でひた走ると、赤土がむき出しになった敷地が左手に見える。周囲に張り巡らされた立ち入り禁止のテープは、以前に比べて色褪せていた。近くにあったゴム林は伐採されて跡形もなく、整備された赤土には重機の轍が残っていた。

 1年前とほとんど変わっていない……。

 ここはインドネシアの首都ジャカルタから南東に約120kmの西ジャワ州ワリニ。ジャカルタと商業都市、バンドン(143km)を結ぶインドネシア高速鉄道事業の現場をおよそ1年ぶりに再訪した、4月11日のことだった。轍を頼りに車で1kmほど奥へ進むと、切り開かれた広大な山肌が前方に現れ、ショベルカー3台、大型トラック4台が稼働していた。現場監督のインドネシア人男性が状況を説明してくれた。

「ここに駅を作るため、3カ月ほど前から整地作業を行っています。作業員約30人で朝から夕方まで。毎月1回程度のペースで中国人数人が、進捗状況の確認に車でやって来ます」

 現場周辺にコンクリートや鉄鋼などの資材は見当たらない。ショベルカーがひたすら赤土を掘り起こし、トラックの荷台に運んでいるだけだ。現場監督は続ける。

「この整地作業を終えてから建設し始めるので、駅の完成がいつになるのかといった先のことまでは分かりません」

関連キーワード

関連記事

トピックス

不倫が報じられた錦織圭、妻の観月あこ(Instagramより)
《錦織圭・モデル女性と不倫疑惑報道》反対を押し切って結婚した妻・観月あことの“最近の関係” 錦織は「産んでくれたお母さんに優しく接することを心がけましょう」発言も
NEWSポストセブン
不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《美女モデルと不倫》妻・観月あこに「ブラックカード」を渡していた錦織圭が見せた“倹約不倫デート”「3000円のユニクロスウェットを着て駅前チェーン喫茶店で逢瀬」
NEWSポストセブン
お疲れのご様子の雅子さま(2025年、沖縄県那覇市。撮影/JMPA) 
雅子さまにささやかれる体調不安、沖縄訪問時にもお疲れの様子 愛子さまが“異変”を察知し、とっさに助け舟を出される場面も
女性セブン
新キャストとして登場して存在感を放つ妻夫木聡(時事通信フォト)
『あんぱん』で朝ドラ初出演・妻夫木聡は今田美桜の“兄貴分” 宝くじCMから始まった絆、プライベートで食事も
週刊ポスト
不倫が報じられた錦織圭、妻の元モデル・観月あこ(時事通信フォト/Instagramより)
《結婚写真を残しながら》錦織圭の不倫報道、猛反対された元モデル妻「観月あこ」との“苦難の6年交際”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
「松井監督」が意外なほど早く実現する可能性が浮上
【長嶋茂雄さんとの約束が果たされる日】「巨人・松井秀喜監督」早期実現の可能性 渡邉恒雄氏逝去、背番号55が空席…整いつつある状況
週刊ポスト
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン