最近の調査によると、1人当たり、1年で、医者にかかる回数は約12回、かかる医療費は30万円以上といわれている。「必要経費」とはわかっているものの、家計を逼迫させることには変わりない──。だったら、病気にきちんと備えて、通院回数を減らしませんか?
2018年度から新たな『医療費適正化計画』がスタートする。13年連続で上がり続ける医療費を削減するために、各都道府県での医療費の地域差を是正する計画などを、国と都道府県が策定している。
1人当たりの医療費がもっとも高い高知県に住む主婦・高橋良子さん(45才・仮名)はため息をつく。
「ちょっと風邪をひいて薬をもらいたいと病院に行くと、診察料と薬代で2000円くらいかかってしまう。薬も、風邪薬と一緒にのむ胃薬とかトローチとかを勝手につけられて、いつもなんだか損した気分になるんですよね…」
そんな中、消費生活アドバイザーで、自身も薬剤師の資格を持つ阿部絢子さんは「なるべく医者にかからないようにすれば、医療費が削減できます」と言う。
「そのためにも、まずは自分で治すための備えをしておく。薬箱を用意しておくだけで、健康管理のしやすさが格段に変わります」(阿部さん)
あなたの家に、薬箱はありますか? 2010年に20~60代を対象に製薬会社が行った調査では、約3割が「薬箱を持っていない」と回答した。手軽に薬が手に入るようになった昨今、若者を中心に常備薬の習慣がなくなりつつあるようだ。しかし、前出の阿部さんは「常備薬が自宅にないと、いざという時に処置できません」と危惧する。
「自分の体の声を聞き、まずは自分で治したり管理したりしようとしなければ、簡単に治る病気でも、医者に頼ることになってしまいます。体に合った薬が常備されていればある程度は自分で症状を治せるのです」(阿部さん)
適切な薬を自宅に常備することが、通院回数を減らして、医療費を節約することにつながるのだ。
※女性セブン2017年5月25日号