昔は大新聞の記者には知性と教養があったが、最近は知性が劣化してバカばかりになった。2014年春に朝日に入社した記者の中で東大卒の新入社員はゼロだったらしいが、今後がますます案じられる。
「打ち間違えた」「入力を誤った」などの理由説明は他にも多い。これは、“頭ではわかっていた”という言い訳だ。
だが、読み仮名の間違いは書き手が勝手に思い込んで間違えたのであり、賢しらな誤りといえよう。
驚いたのは、乗馬クラブを脱走したシマウマ「バロン」が、捕獲時に麻酔薬入りの吹き矢を受け、ゴルフ場で溺死したという記事(2016年6月1日付朝刊)の訂正だ。元の記事に掲載された「麻酔薬を打たれたバロン」と説明が付いた写真には、直立するシマウマのたてがみに“刺さった矢”に、「麻酔薬(吹き矢)」との吹き出しが付いていた。だが掲載翌日、こんな訂正が掲載された。
〈シマウマの写真で、「麻酔薬(吹き矢)」と指し示した物は吹き矢ではなく、地面に置かれた棒状の物でした。確認が不十分でした〉(2016年6月2日付朝刊)
写真を見誤ったか、写真提供者から「これが吹き矢」と説明されたかは不明だが、麻酔薬入りの矢が刺さったまま、シマウマが立って静止している場面の不自然さに気付くべきだった。