国内

新潟の永代供養墓地 事実婚、姉妹、友人、恋人でも入れる

急増する「永代供養墓」から見えてきたもの

 永代供養墓とは本来、「継承を前提としないお墓」を指すという。お墓を継ぐ人が途絶えても、お寺が続く限り、文字どおり「永代にわたって供養される」というお墓だ。

 しかし、その詳細について知る人は意外と少ないのではないだろうか。そこで、ノンフィクションライターの井上理津子氏が実情に迫った。

 * * *
 永代供養墓は、地方から出てきた人たちの多い都市部に限った需要かと思ったが、そうではなかった。

 新潟の市街地から南西へ25kmほどの海辺の小さな町、旧巻町(現・新潟市西浦区)に、全国に先駆け1989年に風変わりな永代供養墓を設けて以来、人気を集め続けているお寺があるとの情報を得て、向かった。

 新潟駅から3両編成の電車がゴトゴトと走るJR越後線に乗ること20分。内野駅で降り、タクシーを使う。「日蓮宗妙光寺へ」と告げると、「あなたもお墓の見学ですか? 妙光寺に(お客を)送るのが多いんです」と運転手さんが笑った。

 20分ほどで、松の木々が風流に枝を伸ばす広い境内に入る。円錐形の造形物がちらちら見えてきた。「安穏廟」という名のお墓群だった。

 迎えてくれた妙光寺住職の小川英爾さん(64才)に、さっそく案内してもらう。

 妙光寺は1313年創建の古刹。境内は5000坪もある。森の中へと進むと、ウグイスの鳴き声がした。芝生に敷石された広々とした広場に、直径約2mの8角形の墳墓30基が並んでいた。形がなんともユニークだ。外側を、個別に仕切られた8つのカロート(納骨スペース)が囲んでいる。それが、今空きが5区画のみになったという最新型のお墓だった。お値段は?

「カロート1区画に、骨壷なら3体、布袋等なら3体程度入り、何体入れても85万円です」と小川住職。

 地方とはいえ安いなあ、と思った。

「人生・万歳!!」
「明るく美しく 永遠の道に臥す」
「セ・ラ・ヴィ」
「向日葵のように」
「後の世も二人静かにこの里で」

 墓碑板に掘られた、個性的な言葉が微笑ましい。少し歩くと、108のカロートが取り巻く、直径20m弱の円墳が4つ。初代のものだという。丸みを帯びて剪定された低木がびっしり植わり、てっぺんに宝塔が建つ。こちらもユニークだが、経年によって木々がどっしりと根を下ろし、カロートの表面の石も落ち着いた色味を帯びている。ひとしおの風格だ――と見入りつつ、肝心の質問をする。

関連記事

トピックス

店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン