芸能

元祖ライダー藤岡弘、「ヒーローは一生かけて背負うもの」

元祖仮面ライダー藤岡弘が「ヒーローとは?」を語る

 戦隊ヒーロー出身の俳優たちの活躍が注目を集めている。菅田将暉(24才)、志尊淳(22才)、竹内涼真(24才)、他にも、千葉雄大(28才)、松本岳(24才)など、20代の若手俳優の多くがヒーロー経験者だ。そんなヒーロー出身俳優に元祖仮面ライダー藤岡弘、(71才)はこう語る。

 * * *
 何事も初めてっていうのは苦難がつきものだけど、『仮面ライダー』(1971年)は、誰もヒットするなんて予想していなかったですよ。

 だから撮影も工事現場みたいなところを使って、満足に揃わない機材で始まったんです。予算もないからスタントマンもいなくて、すべて自らやらざるを得ない状況でした。仮面をかぶると視野が狭くなって、遠近感がなくなる。

 その状態で高いところから飛び降りたり、崖っぷちを二輪車で走ったりするのでけがも絶えなかった。新境地を求め、すべてにハングリーな状況のなか、オーディションでやっと得た役ですから、逃したくない。命をかけ、必死でした。

 実際バイクがスリップし数十メートル吹き飛ばされてしまって生死をさまよったこともありました。1年間の戦線離脱の間は、ぼくがショッカー退治のためヨーロッパに行った設定となり、仮面ライダー2号・佐々木剛くん(70才)が登場してくれた。その時、バイクに乗れない佐々木くんによって変身ポーズが生まれ、ぼくが復帰した時は、1号と2号がダブルライダーとして揃って、最高視聴率をマークしたわけで。全部“災い転じて福となす”なんです(笑い)。

 ノースタントを貫いたのはぼく自身、幼少期に鞍馬天狗を見て感動した原体験があったから。子供の番組だからといってばかにしちゃいけません。

 子供こそが未来をつくる“宝”。子供は純粋ですから、その時の感動を一生持って生きていきます。だからそのカギを握るヒーローも一生かけて背負っていくべきだと思います。

 ぼくの時代と今の時代は違うから押しつけるつもりはない。でも、私は今も己磨きの旅の途中。まだまだ未熟者なので、これからがぼくの俳優としての真価が問われるなと思っています。

撮影/関谷知幸

※女性セブン2017年6月1日号

関連記事

トピックス

独走でチームを優勝へと導いた阪神・藤川球児監督(時事通信フォト)
《いきなり名将》阪神・藤川球児監督の原点をたどる ベンチで平然としているのは「喜怒哀楽を出すな」という高知商時代の教えの影響か
週刊ポスト
容疑者のアカウントでは垢抜けていく過程をコンテンツにしていた(TikTokより)
「生徒の間でも“大事件”と騒ぎに…」「メガネで地味な先生」教え子が語った大平なる美容疑者の素顔 《30歳女教師が“パパ活”で700万円詐取》
NEWSポストセブン
ロッテの美馬学投手(38)が今シーズン限りで現役を引退することを発表した(時事通信フォト、写真は2019年の入団会見)
《手術6回のロッテ・美馬学が引退》「素敵な景色を見せてくれた」国民的アニメの主題歌を歌った元ガールズバンド美人妻の想い
NEWSポストセブン
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
LUNA SEA・真矢
と元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《80歳になる金婚式までがんばってほしい》脳腫瘍公表のLUNA SEA・真矢へ愛妻・元モー娘。石黒彩の願い「妻へのプレゼントにウェディングドレスで銀婚式」
NEWSポストセブン
昨年10月の総裁選で石破首相と一騎打ちとなった高市早苗氏(時事通信フォト)
「高市早苗氏という“最後の切り札”を出すか、小泉進次郎氏で“延命”するか…」フィフィ氏が分析する総裁選の“ウラの争点”【石破茂首相が辞任表明】
NEWSポストセブン
万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン