また、医学的な訓練を受ける機会の少ない医師ほど、エビデンス(医学的根拠)に基づく最新のガイドラインや新しい治療法を利用しようとせず、古い理論に頼りがちであるとも分析した。つまり「日進月歩の医療の世界では、過去の経験が“足枷”となり、患者の治療に悪影響を与えかねない」と指摘しているのだ。
医療現場にもそうした実感はあるようだ。都内の大学病院に勤務する現役看護師はこう語る。
「せっかく内視鏡手術の最新技術の研修会があっても、60歳を超えたベテラン教授の中には『10歳も20歳も若い医師と同席なんてできない』とこぼす人が少なくない。プライドが邪魔して新しい施術を取得できないドクターが多いと感じます」
※週刊ポスト2017年6月9日号