芸能

橋田壽賀子さんが回顧「運命の神様って絶対にいるんです」

運命の神様はいる、と語る橋田壽賀子さん

 運命というものはあるのだろうか──。誰もが一度は考えたことがあることだろう。脚本家の橋田壽賀子さん(92才)が“運命“について語る。

 * * *
 運命はコントロールできない、自分の思うとおりにならないのが人生、私はそう思います。本当は東大に行って言語学者になりたかったけど、受験に失敗して早稲田の国文科に入った。そこで女生徒があまりいないからと劇団に誘われて、やってみたら面白くて演劇専修に転科しました。

 その後、たまたま松竹を受ける友達がいたので一緒に受けてみたら合格して松竹最初の女性社員になった。それだってカンニングして合格したんです(笑い)。当時は「映画の世界に入る女はろくでもない」「ラブシーンの女のせりふだって男の脚本家の方がうまい」なんて言われる時代でしたが、10年下積みを積んで退職して、たまたまテレビが出てきたので、テレビドラマの脚本家になりました。テレビの世界に行ったから主人と結婚できたし、石井ふく子さんとも出会えました。他の人と巡り会っていたら、ミステリーばかり書いていたかもしれません。

 今振り返れば、私が自分の意思で行ったことはほとんどなく、降って湧いてきたチャンスがいっぱいあった。そのチャンスのバスに乗れたことも運だったと思います。

 だから、運命の神様って絶対にいるんですよ。いろんなタイミングは全部運です。私にとって大きかったのは、戦争中のコッペパン1つしかない貧しい時代を経験していたこと。ひどい時を知っているから、ご飯を食べられるだけでありがたく、何が起ころうが自分が不幸だとはまったく思いませんでした。

 今の子は世の中が豊かだから、逆に不幸がいっぱいある。十ある幸せを幸せとも思わない子がいるけど、私なんて一あれば充分という時代ですよ。その意味では、戦争の時代を生きたことも幸運でした。本当にありがたい運命ばかりです。

※女性セブン2017年6月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン