認知症患者は2025年に700万人を突破するとされる。本人だけでなく家族や社会にも大きな課題だが、認知症患者への投薬に、ある「禁忌」が追加されたことは知られていない。医療ジャーナリストの油井香代子氏が指摘する。
「まだガイドラインに反映されていない新しい話題ですが、高齢の認知症患者は薬の代謝が低下しており、花粉症などのアレルギー症状の緩和や風邪などの、鼻水を止める効果のある抗ヒスタミン薬や咳止めの一部には、脳に作用して意識障害や徘徊などを引き起こす副作用が多数報告されています」
年齢は「すべて」ではないものの、大きな判断材料のひとつ。医師の本質を見抜かなければいけないのは患者である私たちだ。
※週刊ポスト2017年6月9日号