「たしかに、電車の中などで急にお腹が痛くなった時、すぐに効いてほしいというニーズは高まってきていますよね」
このストレス社会、10代20代は他の世代に比べ「下痢になりやすい」と自覚している比率が高いことが1万2千人を対象にした同社の調査でわかったという。ところが、止瀉薬を飲んだかどうかを聞くと、なんと「10代の約半数が未経験」(2013年)だったのだ。
「ぜひとも10代、20代の方々に伝えたい、というのが弊社の切実な願いです。核家族化などで親子の間で伝承される生活習慣も減ってきています。今後を考えると、我々としても安住しているわけにはいかないのです」
歴史ある伝統薬・正露丸は、変化していく時代のニーズにいかに対応できるのかそれが懸案であり課題だったのだ。初めて採用したカプセルの形状についても「若い世代への消費者調査から方向性を固めていきました」とマーケティング部岡本智充氏(45)。
「健康食品やサプリメントが浸透し、若い人たちにとってカプセルは親しみ深い形状である、という調査結果が得られました」
「クイックC」という新製品は生活の形と社会の急激な変化の中から必然的に生み出されてきたと言えるだろう。