こうした現象は「相互作用」と呼ばれる。医薬品の添付文書に記載され、注意喚起がなされている。だが添付文書を丁寧に読まない人なども多いことから、知らない間に望ましくない「飲み合わせ」をやってしまっている人が少なくないという。とくに、健康によいと喧伝される食品に意外な落とし穴がある。たとえば青汁だ。
「青汁の材料であるクロレラやアシタバなどに含まれるビタミンKには血液を固める作用があります。そのため抗凝血薬のワルファリンの効用を打ち消して薬の効きを悪くしてしまう相互作用があります」(加藤氏)
青汁だけでなく生の野菜ジュースやブロッコリー、ほうれん草にもビタミンKが豊富に含まれているので注意が必要だ。青汁は抗生物質と相性が悪いことでも知られる。
「青汁に含まれる豊富なミネラルが、『シプロフロキサシン』や『ミノサイクリン塩酸塩』などの抗生物質のミネラルと結合し、薬の吸収を妨げます。これにより菌を退治する力が弱まり、扁桃炎や気管支炎などの感染症が長引くリスクがあります」(加藤氏)
他にも、沖縄の代表的な野菜で“長寿の源”とされるゴーヤ。愛知県薬剤師会薬事情報センターが公表している「医薬品との併用に注意のいる健康食品」によると、ゴーヤにはインスリンの分泌を促して血糖値を下げる働きがある。このため、糖尿病治療薬と飲み合わせると「作用の増強」で血糖値が下がりすぎる恐れがある。