ネット戦略の実働部隊として小池百合子・自民党広報本部長(当時)の下に議員、選挙スタッフ、ネット企業の専門家、弁護士からなる「Truth Team(T2)」を発足させ、24時間態勢でネットを常時監視、ブログやSNS、2ちゃんねるなどに候補者への誹謗中傷の書き込みがあれば直ちに削除要請する仕組みをつくりあげた。野党時代に組織された1万人の「自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)」もそれを支援した。その結果、2013年参院選は31議席増の大勝利をあげた。
「政治といえば、報道されるのはカネをめぐる疑惑や男女関係・失言・暴言といったスキャンダル、議会映像も野次や怒号が飛び交う場面ばかりが好んで取り上げられます。そういう情報に基づいて人々の『政治』の印象が固まり、本当に重要な情報がこぼれ落ちていく。
だから情報の結節点に網を張り、自分たちにとって残酷な情報を早く、正確に知って、くじけずに打開のための情報を見つけに行くほうが良い。野党時代に情報をちゃんと分析してきた経験が、第二次安倍政権の広報を強くしたことに繋がったかもしれない」(小口氏)
※週刊ポスト2017年6月16日号