ビジネス

出光お家騒動 会社側優位だが「創業家軽視」の風潮に危惧も

出光興産は「創業家VS経営陣」の争いに終止符を打てるか

 6月は株主総会シーズン。今年の集中日となる6月29日開催企業のうち、もっとも荒れそうなのが、「創業家VS現経営陣」のドロ沼騒動が続く石油元売り大手、出光興産だ。

 事の発端は2015年7月、出光の月岡隆社長ら経営陣が同業他社の昭和シェル石油と経営統合に向けた協議を始め、同年11月に両社で合併の基本合意書を締結したことにある。

 これに真っ向から反発したのが、出光昭介名誉会長はじめ出光株の33.92%を保有する創業家だ。

 創業家代理人の鶴間洋平弁護士は、〈そもそも大株主(創業家)の意向を確認しないまま合併を進めようとした。経営陣が意思疎通を欠いたことが問題の原因〉と主張している。また、両社の企業文化の違いなどから、合併効果が得られないとも指摘している。

 そのため、創業家側は昨年6月の株主総会で月岡社長など取締役の選任に反対。辛くも再任された月岡社長は10月に合併の“無期限延期”を表明したものの、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルから昭和シェル株約31.3%を取得するなど、合併に向けた地ならしは着々と進めてきた。

 直近では両社が事業提携を加速させる「戦略トップミーティング」を設置。月岡社長だけでなく、昭和シェルの亀岡剛社長も「合併後の飛躍につなげたい」と発言し、もはや両社の経営統合は既定路線となっている。

 そして、今年の株主総会である。創業家側は再び月岡社長らの選任案に反対する方針を明らかにしたが、どうやら形勢は悪そうだ。

「出光と昭和シェルがもたもたしている間に業界再編が進み、競合するJXホールディングスと東燃ゼネラル石油が4月に経営統合。国内シェアで完全に水をあけられたばかりか、規模を活かせず、グローバル展開でも出遅れている。危機感を募らせる出光の特約店からは創業家批判が噴出している。

 幸い、今年は原油価格の上昇で出光の決算が昨年の最終赤字から黒字に転換したことは経営陣にとって追い風。ここで一気に経営統合を実現させれば合理化も進み、創業家に統合効果をアピールできる」(全国紙記者)

 一方の創業家もどこまで頑なに経営陣に反目するのか読めない面はある。

 対立の過程で昭介氏の二男である正道氏の出世を促す狙いがあるのでは? との憶測が飛び出したり、前出・鶴間弁護士の前任だった浜田卓二郎弁護士が突如代理人を辞任したりしたことで、「創業家の内部分裂や影響力の低下を指摘する声がある」(経済誌記者)からだ。

 だが、出光に限らず「創業家軽視」の風潮にあえて釘を刺す向きもある。経済ジャーナリストの松崎隆司氏がいう。

トピックス

「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《借金で10年間消息不明の息子も》ビッグダディが明かす“4男5女と三つ子”の子供たちの現在「メイドカフェ店員」「コンビニ店長」「3児の母」番組終了から12年
NEWSポストセブン
女児盗撮の疑いで逮捕の小瀬村史也容疑者(37)。新たに”わいせつ行為”の余罪が明らかになった
「よくタブレットで子どもを撮っていた」不同意わいせつ行為で再逮捕の小瀬村史也容疑者が“盗撮し放題だったワケ” 保護者は「『(被害者は)わからない』の一点張りで…」
NEWSポストセブン
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《多産DVを語ったビッグダディ》「子どもができたら勝手に堕ろすんじゃないぞ」4男6女の父として子供たちに厳しく言い聞かせた理由
NEWSポストセブン
成年式を控える悠仁さまと第1子を出産したばかりの眞子さん(写真・右/JMPA)
眞子さん、悠仁さまの成年式を欠席か いまなお秋篠宮家との断絶は根深く、連絡を取るのは佳子さまのみ “晴れの日に水を差す事態”への懸念も
女性セブン
ボニー・ブルーとの2ショット(インスタグラムより)
《タダで行為できます》金髪インフルエンサー(26)と関係を持った18歳青年「僕は楽しんだから、被害者になったわけじゃない」 “捕食者”との批判殺到に反論
NEWSポストセブン
2人は結婚3年目
《長髪62歳イケオジ夫との初夫婦姿》45歳の女優・ともさかりえ、3度目の結婚生活はハッピー 2度の離婚を乗り越えた現在
NEWSポストセブン
オーナーが出入りしていた店に貼られていた紙
「高級外車に乗り込んで…」岐阜・池田温泉旅館から“夜逃げ”したオーナーが直撃取材に見せた「怒りの表情」 委託していた町の職員も「現在もまだ旅館に入れない」と嘆き
NEWSポストセブン
記者の顔以外の一面を明かしてくれた川中さん
「夢はジャーナリストか政治家」政治スクープをすっぱ抜いた中学生記者・川中だいじさん(14)が出馬した生徒会長選挙で戦った「ものすごいライバル候補」と「人心を掴んだパフォーマンス」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博内の『景福宮』での重大な疑惑が発覚した(時事通信)
《万博店舗スタッフが告発》人気韓国料理店で“すっぱい匂いのチャプチェ”提供か…料理長が書いた「始末書」が存在、運営会社は「食品衛生上の問題はなかった」「異常な臭いはなかった」と反論
NEWSポストセブン
63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志さん
《63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志》不良役演じた『ビー・バップ』『スクール☆ウォーズ』で激変した人生「自分の限界を超える快感を得ちまった」
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがニューシングル『Letter』をリリース(写真・左/AFLO、写真・右/Xより)
羽生結弦の元妻のバイオリニスト・末延麻裕子さん、“因縁の8月”にニューシングル発売 羽生にとっては“消せない影”となるのか 
女性セブン
雅子さまのご静養に同行する愛子さま(2025年8月、静岡県下田市。撮影/JMPA) 
愛子さま、雅子さまのご静養にすべて同行する“熱情” そばに寄り添う“幼なじみ”は大手造船会社のご子息、両陛下からも全幅の信頼 
女性セブン