新聞各紙が麻生氏の派閥合流を報じた5月中旬頃、与党を担当する記者クラブ(平河クラブ)の告知板に、安倍首相が週末に谷垣氏が入院する病院(貼り紙には病院名も記されていた)を視察するという日程が掲示された。大手紙政治部記者が語る。
「総理があの病院をわざわざ視察するというのは、安倍―谷垣会談が行なわれるという意味以外ない。谷垣さんが派閥合併に反対していることはよく知られているから、大宏池会構想の“対策会議”が開かれるのではないか、との声もあった。同行記者も募集され、すでに総理に近い記者が参加することが内定していた」
この“ニュース”は番記者から麻生副総理サイドにもすぐ伝わって衝撃を与えたという。ところが、なぜか視察日程はその日のうちに取り消された。「麻生氏に対する官邸のブラフだった」とも、「谷垣氏側との日程調整がうまくいかなかった」との見方もあるが、谷垣氏の復帰をめぐって官邸中枢の安倍―菅ラインと麻生副総理の間で水面下の激しい情報戦が展開されていることを物語っている。
※週刊ポスト2017年6月30日号