さらに安倍首相が読売新聞のインタビューで打ち出した改憲案(九条をそのまま残して自衛隊を明文化する考え)について、石破氏はじめ党内の改憲原理主義派からは批判があがっているが、小泉氏は石破氏とはっきり距離を置く言い方をした。
「私は当然だと思いますよ。むしろ自衛隊が違憲かどうかという論争が起きている状況を放置し続けることの方がおかしいと思いますから。(9条への自衛隊の存在の)明文化っていうのは当然じゃないですか」
安倍首相は“生意気盛り”で政権に逆らっていた小泉氏を農林部会長にして農協改革を担当させ、いわば“雑巾掛け”をさせた。この発言を聞いて“ようやく丸くなったか。愛いやつだ”と考えたとしても不思議ではない転向ぶりだ。
「進次郎人気」で疑惑ムードを払拭したい安倍首相と、大臣になって自分で打ち出したこども保険創設で腕を振るいたい小泉氏。魚心あれば水心とはこのことかもしれない。
※週刊ポスト2017年6月30日号