国内

女性専用個人墓 契約した女性の年齢層は30代~90代まで

「京都天が瀬メモリアル公園」の女性専用区画

 お墓の問題は、「どこに入るか」ともう1つ、「誰と入るか」ということも根深い悩みだ。夫や、夫の両親とは、死んだ後まで一緒は嫌。あるいは一緒に入る伴侶がいない――その時、あなたならどうしますか? ある決断をした女性たちの話をお届けします。(文・写真/ノンフィクションライター・井上理津子)

 * * *
 東京・新宿と京都・宇治に、合葬ではなく、自分1人で眠れる女性専用のお墓がある。東京・新宿は、浄土真宗東本願寺派・無量寿山光明寺の東京本院・新宿瑠璃光院。「高級感あふれる室内墓所」「新宿南口徒歩3分」がキャッチフレーズのスタイリッシュな都心のお寺だ。

 半個室の参拝所に、保管庫から厨子(納骨箱)が運ばれてきて、共用の墓石にセットされる自動搬送式の室内墓を擁すが、その中に「女性専用の個人墓」があるのだ。私が調べた限り、この形式の女性専用のお墓は他に例がない。

「七回忌法要の後、満天の星の下へお連れいたします」

 業務統括推進本部長の木下尚子さんは、そう表現する。七回忌の供養後に、遺骨は系列の京都府宇治市の「京都天が瀬メモリアル公園」に運ばれ、やはり女性専用区画に移される仕組みである。利用料50万円で、管理費不要。人気が高く、残念ながら目下は「第l期完売」の状態だ。

 もっとも、京都天が瀬メモリアル公園の女性専用区画「天空葬コスモガーデン」に直接入る(20万円~)のは受付中とのことで、行ってみた。

 京都駅からJR線に約25分乗ると宇治駅。そこから、車で10分ほどの緑濃い地に広がる、芝生が敷き詰められた明るい霊園だ。

 和型や洋型の石墓が並ぶ奥の一角に小川が流れ、「天空葬コスモガーデン」があった。芝生の上に、白い大理石の小さなプレートが点々と配され、ローマ字の名前と誕生日の星座が彫られている。外国の墓地の小型版のような雰囲気だなと思った。

「ご遺骨は粉骨せずに、きれいなオーガンジーの袋に移し替えて、全骨を納骨します。何年経っても合祀されない永代供養墓です」と木村さん。契約した女性の年齢層は、30代から90代まで幅広いという。佇んでいると、せせらぎがかすかに聞こえる。

 ここもなかなかいいなあ――と思いきや、木村さんがこんなことを教えてくれた。

「小川を作って他のお墓のエリアと区切ったのは、『自分は1人なのに、隣から、家族の楽しそうな声が聞こえてきたら嫌だ』というかたがいらっしゃり、そのかたのお気持ちにお応えしたからなんです」

 なぜ「女性だけ」のお墓を選択したのか――私の問いかけに口をつぐんだ数人の女性の顔が浮かんだ。

※女性セブン2017年6月29日・7月6日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

2026年1月2日、皇居で行われた「新年一般参賀」での佳子さま(時事通信フォト)
《礼装では珍しい》佳子さまが新年一般参賀で着用、ウエストまわりに“ガーリー”なワンポイント 愛子さまは「正統的なリンクコーデ」を披露
NEWSポストセブン
イスラム組織ハマスの元人質ロミ・ゴネンさん(イスラエル大使館のXより)
「15人ほどが群がり、私の服を引き裂いた」「私はこの男の性奴隷になった…」ハマスの元人質女性(25)が明かした監禁中の“惨状”
NEWSポストセブン
中国出身の女性インフルエンサー・Umiさん(TikTokより)
〈抜群のスタイルとルックスが一変…〉中国人美女インフルエンサーが示唆していた「潘親方(特殊詐欺グループのボス)」との“特別な関係”とは《薬物検査で深刻な陽性反応》
NEWSポストセブン
2020年に英王室から離脱したヘンリー王子とメーガン夫人(時事通信フォト)
「とんでもない赤字だ」メーガン夫人、4年連続「嫌われセレブ」1位に…金欠報道の“深刻度”
NEWSポストセブン
立川志らく氏(左)と貴乃花光司氏が語り合う
【対談・貴乃花光司氏×立川志らく氏】新大関・安青錦に問われるものとは?「自分の相撲を貫かなければ勝てません」“師匠に恵まれた”ことも一つの運
週刊ポスト
SNS上で拡散されている動画(Xより)
「“いじめ動画”関係者は始業式に不参加」「学校に一般の方が…」加害生徒の個人情報が拡散、YouTuberが自宅突撃も 県教委は「命にかかわる事態になりかねない」《栃木県》
NEWSポストセブン
女優・羽野晶紀と和泉元彌の母の節子さん(右・時事通信フォト)
《女優・羽野晶紀“嫁姑騒動”から24年目 の異変》元日に公開された和泉節子さんとの写真から伝わる「現在の距離感」
NEWSポストセブン
命に別状はないとされている(TikTokより)
「クスリ漬けにされていたのでは」変わり果てた姿で発見された中国人インフルエンサー、薬物検査で陽性反応…肺感染症などの診断も【カンボジアの路上でホームレス状態で見つかる】
NEWSポストセブン
SNS上で拡散されている動画(Xより)
【栃木県・県立高校で暴行動画が拡散】学校の周りにインフルエンサーが殺到する事態に…県教育委は「命にかかわる状況」 弁護士は「典型的ないじめの構図」と指摘
NEWSポストセブン
中居の近影をキャッチ(2025年12月下旬)
《ゴルフ用ウェアで変装して百貨店に…》中居正広、外出頻度が増えている 表舞台では“盟友たち”が続々言及する理由
NEWSポストセブン
16年ぶりに写真集を出す皆藤愛子さん
16年ぶり写真集発売の皆藤愛子 「少し恥ずかしくなるくらいの素の姿や表情も、思い切って収めていただいています」
週刊ポスト
米国によってニコラス・マドゥロ大統領が拘束された(時事通信フォト)
《大統領拘束を歓迎するベネズエラ国民の本音》「男女ともに裸にし、数日間眠らせず、窒息を繰り返させる…」国連に報告されていた“あまりに酷い拷問のリアル”
NEWSポストセブン