『しっぽの声』第1話では、悪質なブリーダー問題を取り上げる。子犬がカネになるからと自宅で繁殖させたが売れず、飼育放棄したブリーダー。死骸や糞尿が放置された部屋には異臭が充満、道路にまで漂うように。駆けつけた動物保護ボランティアが見た光景は、まさに地獄絵図だった──。
「作品には資料写真を提供したり、具体的事例を伝えたり、リアルさを追求するための協力をさせていただいています。中には残酷な描写もありますが、それが真実。ソフトにする必要はないと思っています。作品を通して動物たちの叫びを聞いてください」(杉本)
殺処分される犬猫の数は現在でも1日あたり225頭に上る(2015年度)。それぞれが己の都合ばかりを優先する、現代日本の縮図といえるかもしれない。
※週刊ポスト2017年7月7日号