国内

30連勝のかかった藤井四段“ひふみんアイ”は見せるのか?

藤井四段は30連勝を成し遂げるのか?

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、話題の人、将棋界の藤井四段に注目。

 * * *
 30年ぶりに公式戦の歴代最多記録29連勝を達成した藤井聡太四段。デビュー以来、無傷の最年少棋士はまだ中学3年生の14歳。偉業を成し遂げたというのに本人は実に落ち着いているが、将棋界は“藤井特需”というくらい盛り上がってきている。ということで、注目を集めた東の天才、増田康宏四段との6月26日に行われた対局を見てみよう。

 当初、師匠である杉本昌隆七段は、藤井四段の顔色の悪さと、初盤に脇息(肘置き)にもたれかかる様子を見て、体調が悪いのかと心配していたという。振り返って映像を見てみると、確かに顔色は白い。はた目には緊張しているせいかなと思ってしまうことでも、師匠の目には、いつもと違うことがすぐにわかったのだろう。

 だが、そこから11時間以上に及ぶ長い対局が続く。師匠の心配をよそに、体調の悪さなど微塵も感じさせない集中力で、藤井四段は崩れることなく勝利する。何度も頭が盤に近づき、前傾姿勢になっていくが、杉本七段によると、これは藤井四段が集中している時の癖であり、闘争姿勢。時おり、相手をちら見するのは、形勢が有利な時に出る癖らしい。

 対局中、膝前に置かれた扇子を手にすることも多かった。茶道では、扇子を膝前に置き挨拶をする。これは相手を敬うためのものだが、将棋では、扇子を手にして開け閉めすることで、数十手先の手まで考える思考のリズムを取ることができるということらしい。藤井四段も扇子を開閉しながら、先の手を読んでいたのだろうか。

 これを脳の動きという点から捉えると、見て考えるより手を動かして考える方が脳が活性化して効果的といえる。脳神経学者のワイルダー・ペンフィールドによる、大脳が身体からの触覚情報を受け取る体性感覚野を示している脳の地図では、手や指に対応する脳の面積がとても大きいからだ。ということは、扇子を手の中で回したり、指先で開閉することで、思考がより活発になるのである。

 仕草という点から考えると、扇子という持ち慣れたアイテムを触ることで、ストレスや緊張を和らげ、自分の気持ちを落ち着かせて集中力を高めることにもなる。棋士にとって扇子は様々に役立つアイテムであり、藤井四段も扇子を効果的に使っているといえるだろう。

 この対局で、将棋ファンをざわつかせたのは藤井四段の“ひふみんアイ”だ。相手側に回りこんで盤面を見るという行動で、加藤九段が行っていたもの。相手の気持ちに立って考えることができる、客観的に対局を見れるという利点がある。加藤九段の“ひふみんアイ”は相手が席をはずした時のもの。だが、藤井四段は席を立ち、戻ってきた後、増田四段の後ろに回って対局を見たのだ。

関連記事

トピックス

各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
理論派として評価されていた桑田真澄二軍監督
《巨人・桑田真澄二軍監督“追放”のなぜ》阿部監督ラストイヤーに“次期監督候補”が退団する「複雑なチーム内力学」 ポスト阿部候補は原辰徳氏、高橋由伸氏、松井秀喜氏の3人に絞られる
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン