国内

JKビジネスが都条例で規制強化 客との交渉の場はネットへ

新しく都条例が施行されたJKビジネスのゆくえ

 学生の夏休みが近づく7月1日、東京都は「特定異性接客営業に関する条例」を施行した。この条例で、添い寝や散歩など18歳未満による親密なサービスを売りにした「JK(女子高生)ビジネス」が新たに規制される。この条例の施行に向けて都内のJKビジネス店は激減したといわれている。ライターの森鷹久氏が、JKビジネス店舗で働いていた少女が、条例によってどのように変わらざるを得なかったのかをリポートする。

 * * *
「JKビジネス」には少女と男性が散歩をする、会話をする、添い寝をする、といった様々なスタイルがあるが、これら表向きのサービスとは違う「裏オプ(裏オプション)」の存在が問題視されている。東京・池袋の「JKお散歩」店関係者は、JKビジネスは裏オプで成立している側面があると話す。

「男性客とお散歩をするだけでは、女の子の給与は普通のアルバイトと変わらない。裏オプをすることで、その代金は丸々少女に入ることになる。店としては裏オプの存在を認めていないが、裏オプができる店が繁盛し、稼ぎたい女の子が入店しやすいのは事実」

 東京都条例の施行に合わせて、JKや女子高生といった文言を売りに営業していたJKビジネス店には、6月いっぱいの営業で閉店したり、サービス内容を変更し営業する予定だと伝えられるところが少なくない。しかし、法令をすり抜けて事業を続けたり、働き続ける者も少なくない。いたちごっこの様相は、条例施行前からすでに見え始めていたようだ。

 千葉県北西部在住の女子高生・りんな(17)は、今年の2月まで東京・秋葉原の「JKリフレ」で働いていた。多い時では週に4日、夕方17時頃から深夜0時近くまで勤務していたという。少女を22時以降まで働かせるのは違法だが、店は黙認していた。「リフレ」とはリフレクソロジーの略語で、同店では現役の女子高生によるマッサージが受けられる。40分五千円ほど、一般的なマッサージよし少し高いくらいだが、やはりそこにも「裏オプ」が存在した。

「最初は普通のオイルマッサージ。お客さんもわかってるから”他にもできる?”とか聞いてくる。うちはゴム(避妊具)有りで2~3万もらってた。人にもよるけどね」

 店からもらう給料は月に12万円ほど。一方、裏オプで受け取った金額は月に40万円を超えることもあった。「パパの給料よりもらってたかも」とあどけない笑顔で語るりんなだが、金銭感覚は完全に麻痺し、収入のほとんどは飲食費や遊興費に消え、さらなる物欲を満たすためには裏オプの回数を増やすしかなくなっていた。しかし、とある事件を機に、りんなはJKビジネス店をすっぱり辞めた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン