今年4月、警視庁は児童福祉法違反の疑いで、東京・歌舞伎町のJKビジネス店店長の男を逮捕した。男は従業員の女子高生に、男性客とわいせつな行為をさせたと見られている。歌舞伎町の店長以外にも、4月頃から東京都内ではJKビジネス店の摘発が相次ぎ、JKビジネス店で働く少女達にも不安が広がっていた。
「客引きで立ってても警察がウザいし、パクられるのはさすがに勘弁だから辞めた。友達も辞めた子が多いけど、みんなお金に困った。だから “エン”やるしかないっしょ?」(りんな)
りんなは今、ツイッターを使って「エン(援助交際)」をし、JKビジネス店で働いていた時と同程度の収入を得ている。ツイッターで「援助」「円(「援」をわざと誤変換したもの)」「 サポ(サポート)」などと入力し検索すると、場所や金額などを記した書き込みが多く確認できる。りんなによれば、JKビジネス店への締め付けが強くなった昨年ごろから、SNSを使った女子高生の売春は増えているという。
「普段はインスタ(instagram)、エンはツイッター。おじさんってインスタ使ってないしね(笑)。ツイッターのDM(ダイレクトメッセージ)で交渉して、駅とかで待ち合わせしてホテルに行く感じ。店にいる時はキモい客とは裏オプしなくてよかったけど、今は全員とやんなきゃいけないのがダルい。あとバックれが超多くてムカつく。こっちは遊びでやってるんじゃねーよって」(りんな)
SNSの種類によって友人とのやりとり、援助交際の交渉用と使い分けているりんなは、持っているバッグを見せてくれた。中に入っていたのは、「エン」で使用する避妊具やローション、うがい薬、タイマーだ。まるで派遣型風俗店で働く女性の持ち物だが、友人からアドバイスされ、自ら買い揃えたという。りんながふと呟く。
「もうすでにJKビジネスって感覚はなくて、完全に売春婦だなって思う」
少女達を救うべくJKビジネスを厳しく取り締まる条例が施行された。ところが、法令が厳しくなったため、少女たちはより見えづらいところで同じビジネスを続けている。新施行された条例も、ただ闇雲に摘発するためだけに運用するのでは、闇の中にいる少女達を救うどころか、さらに深みへと追いやる実態を作り出してはいないかと筆者は危惧する。