徐匡迪は6月7日、「雄安新区は北京からの風水の卦がよい(のでこの場所に決めた)」と、唯物論の共産主義者らしからぬ談話を発表。年配者ならではのトボけた言動も目立つ。
実のところ、将来的に雄安新区に組み込まれるはずの近隣地域・高陽県は、習近平の母である斉心の故郷だ。党と国家を挙げた大プロジェクトの場所を、習個人の縁故主義で決めた印象を薄めるため、ことさら「風水」が持ち出された可能性も高いだろう。
権力闘争・縁故主義・風水。エコでスマートな副都心や、深セン・上海に匹敵する大都市といった華々しい謳い文句の影に見え隠れするのは、いずれも経済とは無縁の言葉ばかりだ。
雄安新区の設置は、むしろ独裁皇帝・習近平の遷都計画、と呼んだほうが実態に近いのかもしれない。
※SAPIO2017年8月号