安倍総理は、来年の次期総選挙で与党3党合わせても改憲の発議に必要な国会の3分の2を割るのは確実なので、焦ってスピードを上げているように見えます。
これまで衆参両院の憲法審査会では、9条には触れず、災害時などの国家緊急事態に国会議員の任期延長を定めることなど、超党派で合意できる改憲案を議論してきましたが、例の読売新聞の安倍インタビューを境に、突然、作業がストップした。おそらく、自分の在任中に超党派で合意するのは不可能と判断し、公明と維新が賛成しそうな案で、3党で発議するつもりなのでしょう。
私も自衛隊をわざわざ災害救助の組織として位置づける憲法審査会の案には反対ですが、しかしこの案では、安倍総理は自分の政治的レガシー(遺産)を残すため、改正のための改正をやろうとしているようではないか。
問題は党内に憲法について議論できる人が少ないことです。憲法改正は党是だといっても、70年前にできて放置されてきたわけで、選挙のテーマにならないから誰も憲法について勉強しようとしない。だから、安倍総理に意見する者もいない。