芸能

ミュージカル女優・新妻聖子が語る「挫折のヒストリー」

挫折と転機、家族の愛を語った新妻聖子

 記者の前で見せた表情はまさに百面相――カメラマンのリクエストに応えて、目を大きく見開いたり、より目をしたり…バラエティー番組などでも活躍中のミュージカル女優・新妻聖子(36才)に密着すると、意外な素顔が次々と明らかに──。

「全然違うんですよ、本人的には“挫折のヒストリー”なんです」

 5000倍という難関オーディションを突破し、『レ・ミゼラブル』のヒロインに選ばれた2003年から途切れることなくミュージカルに出演。テレビに進出すれば“歌うま女王”4連覇を達成し、人気を博す。「見事なサクセスストーリーですね」そう尋ねた記者に、新妻は冒頭のように答えたのだった。

「子供の頃から歌が大好きで、歌手に憧れていました。周りからは“聖子ちゃん、歌がうまいね”なんて言われて、歌手になれると信じて疑いませんでした。夢を叶えるために動き始めたのは、海外の高校を卒業後、日本の大学に進学してから。でもいざオーディションを受けるとまったく受からない。20才の時には“歌手は無理です、あきらめてください”と言われて、人生で初めての大きな挫折を味わって…布団を頭からかぶって大泣きしました」(新妻・以下「」内同)

 2004年には『ミス・サイゴン』のヒロインの座を手にする。しかし、すべてが順調にいったわけではなかった。

「優れた俳優さんとご一緒するたび、すばらしい演出家の指示を受けるたび、そこに行けない自分がもどかしくて…。一生芝居はうまくならないんじゃないかって。泣きたいけど人前で泣くわけにいかないから、舞台セットの中で泣いたこともありました」

 それでも連日、舞台に立った。転機となったのはベテラン俳優との共演だった。

「2009年に平幹二朗さん(享年82)と共演させていただいたんですが、芝居も歌も本当に素晴らしかった。すぐそのレベルにいけるわけがない。私なんか、まだ始めて5、6年。あきらめずにやり続けるしかないと思えたんです」

 涙を流しても、前を向いて一歩を踏み出すポジティブな姿勢を忘れない。そういられるのは、家族が大きな愛で支えてくれるからだという。

「本当はすごく打たれ弱いし、きついことを言われたらへこみます。それでも、絶対に自分を肯定してくれる家族という存在がいてくれるから、自分が自分らしくいることがもっともパワフルだって信じられるんです」

●にいづま・せいこ
2002年『王様のブランチ』(TBS系)のレポーターでデビュー。2003年の『レ・ミゼラブル』以降、ミュージカル界の歌姫として活躍。2005年、第31回菊田一夫演劇賞受賞。歌番組だけでなく、NHK大河ドラマ『真田丸』(2016年)やバラエティー番組、ラジオなど多方面で活躍中。両A面シングル『アライブ/天地(あめつち)の声』は7月12日に発売。

撮影/菅原拓

※女性セブン2017年7月20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

STARTO ENTERTAINMENTの取締役CMOを退任することがわかった井ノ原快彦
《STARTO社取締役を退任》井ノ原快彦、国分太一の“コンプラ違反”に悲しみ…ジャニー喜多川氏の「家族葬」では一緒に司会
NEWSポストセブン
東京都内の映画館で流されたオンラインカジノの違法性を訴える警察庁の広報動画=東京都新宿区[警察庁提供](時事通信フォト)
《フジ社員だけじゃない》オンラインカジノ捜査に警察が示した「本気度」 次のターゲットはインフルエンサーか、280億円以上つぎ込んだ男は逮捕
NEWSポストセブン
国民民主党から公認を取り消された山尾志桜里氏の去就が注目されている(時事通信フォト)
「国政に再挑戦する意志に変わりはございません」山尾志桜里氏が国民民主と“怒りの完全決別”《榛葉幹事長からの政策顧問就任打診は「お断り申し上げました」》
NEWSポストセブン
中居正広氏と被害女性の関係性を理解するうえで重大な“証拠”を独占入手
【スクープ入手】中居正広氏と被害女性との“事案後のメール”公開 中居氏の「嫌な思いをさせちゃったね。ごめんなさい」の返事が明らかに
週刊ポスト
参政党の神谷宗幣・代表(時事通信フォト)
《自民・れいわ・維新の票を食った》都議選で大躍進「参政党現象」の実態 「流れたのは“無党派層”ではなく“無関心層”」で、単なる「極右勢力の台頭」と言い切れない本質
週刊ポスト
苦境に立たされているフジの清水賢治社長(左/時事通信フォト)、書類送検された山本賢太アナ(右=フジホームページより)
“オンカジ汚染”のフジテレビに迫る2つの危機 芋づる式に社員が摘発の懸念、モノ言う株主からさらに“ガバナンス不全”追及も
週刊ポスト
24時間テレビの募金を不正に着服した日本海テレビ社員の公判が行われた
「募金額をコントロールしたかった」24時間テレビ・チャリティー募金着服男の“身勝手すぎる言い分”「上司に怒られるのも嫌で…」【第2回公判】
NEWSポストセブン
妻とは2015年に結婚した国分太一
「“俺はイジる側” “キツいイジリは愛情の裏返し”という意識を感じた」テレビ局関係者が証言する国分太一の「感覚」
NEWSポストセブン
衝撃を与えた日本テレビ系列局元幹部の寄付金着服(時事通信フォト)
《24時間テレビ寄付金着服男の公判》「小遣いは月に6〜10万円」夫を庇った“妻の言い分”「発覚後、夫は一睡もできないパニックに…」
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一
【スタッフ証言】「DASH村で『やっとだよ』と…」収録現場で目撃した国分太一の意外な側面と、城島・松岡との微妙な関係「“みてみぬふり”をしていたのでは…」《TOKIOが即解散に至った「4年間の積み重ね」》
NEWSポストセブン
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居正広と元フジ女性アナの「メール」全面公開ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居正広と元フジ女性アナの「メール」全面公開ほか
NEWSポストセブン