投資情報会社・フィスコ(担当・田代明美氏)が、株式市場の7月10日~7月14日の動きを振り返りつつ、7月18日~7月21日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。米雇用統計の結果を受けた7日の米国株高のほか、円相場が1ドル114円台と円安に振れて推移するなか、日経平均は2万円の大台を回復して始まった。その後も米国ではイエレンFRB(連邦準備制度理事会)議長の議会証言や4-6月期決算を控えて上値の重い展開となったが、ハイテク株を選好する動きが目立つなか、11日の日経平均は一時20200円を回復する場面をみせている。
しかし、イエレン議長が議会証言で利上げを急がない姿勢を示し、これを受けた円高の流れが重石となり、その後はこう着感の強い相場展開が続いた。また、「ロシアゲート」問題の先行き不透明感なども手掛けづらくさせていた。週末には決算を受けたファーストリテ<9983>の下げが日経平均の重石にもなった。
今週は3連休明けとなるが、まずは14日の米国ではJPモルガンの決算が予定されており、この決算の影響を受けやすいだろう。その他、消費者物価コア指数、小売売上高、ミシガン大学消費者マインド指数速報値なども発表されるため、結果を受けた利上げ観測の後退などが為替に影響しそうである。
また、今週に入るとゴールドマンやモルガンなど主要金融機関の決算も相次ぐ。国内では安川電機<6506>の決算から決算発表が本格化する。物色についても、次第に業績相場に移行することになろう。その他、経済指標では17日に4-6月の中国GDPが発表される。世界的な景況感の改善から機械株なども出直りをみせていることもあり、改善が見られるようだと、見直しの流れが強まりやすいだろう。
国内では19、20日に日銀が金融政策決定会合を開く。サプライズはないとみられるが、米利上げ観測が後退するなか、期待は高まりやすく、失望には警戒する必要がありそうだ。とはいえ、世界的な金融引き締め観測が警戒されていただけに、今回の米国の利上げ観測の後退により、金融相場が続くとの見方もされるため、底堅い相場展開が続くことになろう。