国内

キャバクラ、クラブ、ガールズバー、ラウンジの違い

「夜の店」の形態の違いを解説

 女子高生の「なりたい職業ランキング」で、キャバクラ嬢がトップ10入りするようになって久しい。きらびやかな世界、高収入と、今や「夜の仕事」は女の子の憧れとなっている。

 だが実のところ、その仕事の中身は知らないことばかり。キャバクラとクラブは何が違うのか。近年流行するラウンジとは何か。ガールズバーは単なるバーなのか…。

 まず法律の観点から夜の仕事を見ると、「接待行為」の有無に行き着く。行政書士の前場亮氏の話。

「隣に座ってお酒を作って談笑する、カラオケでデュエットする。これらは接待行為と位置づけられ、該当する行為を提供する店は、『風俗営業許可1号』を取得しなければいけません。キャバクラやクラブはこの風営1号を取っている店のことをいい、両者に法律上の違いはありません」

 風営1号を取ると接待行為が許可されるが、営業時間が深夜1時までに規制される。

「キャバクラも銀座のクラブも、ホステスの仕事は一緒です。お酒を作り、会話をする。同伴、アフターをし、営業メールを送る。両者の最大の違いは『ママ』の存在。クラブにはホステスの教育係でもあり、経営の責任者でもある『ママ』がいるのです。キャパの大きい店だとその下でサポートする『チーママ』がいるケースもあります」(あるクラブのマネジャー)

 給与体系も異なる。キャバ嬢の給料は時給+バックが基本。バックとは指名や客がボトルを入れた際などさまざまな時に発生する報奨金。例えばボトルバック10%の店の場合、指名客が10万円のボトルを入れた場合、1万円が自分の給与になる。

「クラブでは、売り上げ(指名客)を持たない新人はヘルプと呼ばれ、日給で働きます。自分の客を持っているホステスは客の売り上げが給料に反映される」(前出・マネジャー)

◆グレーゾーンの業態も

 一方、ガールズバーは法律上の立ち位置が異なる。

「あくまでバーであり、接待行為ができません。届け出も『深夜酒類提供飲食店』になります。客の隣に座るのはNGで、カラオケのデュエットも違法。従業員ができるのは、カウンター越しに飲食料を提供することだけ。その代わり、営業時間の縛りはなくなります」(前出・前場氏)

 最もグレーなのが、ラウンジ。昨今、西麻布や六本木でこの形態の店が激増している。

「お客さんの隣に女性がつき、接待する。完全に風営法1号にあたりますが、ラウンジの中には女性を“店に来た客”と位置づけ、『深夜酒類提供飲食店』の届け出で、営業時間の縛りをなくしている所があります」(前出・前場氏)

 そうしたラウンジは、“接待していない”というアピールのため、女の子は私服で、席につく時は鞄を持つことを義務づけている。客として来たのであれば、手ぶらで席にいることはおかしいからだ。

「給与体系は、時給の子もいるし、シートバックの子もいます。1回男性の席につくと2000円、指名が入れば1万円といった具合で、そこにドリンクバックが加わる。一日に5~6席回れば3万円ほどにはなります」(あるラウンジのマネジャー)

 夜の世界は、かくも多岐にわたっている。

※女性セブン2017年7月27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

中川翔子インスタグラム@shoko55mmtsより。4月に行われた「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2025」には10周年を皆勤賞で参加し、ラプンツェルの『自由への扉』など歌った。
【速報・中川翔子が独立&妊娠発表】 “レベル40”のバースデーライブ直前で発表となった理由
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
《“手術中に亡くなるかも”から10年》79歳になった大木凡人さん 映画にも悪役で出演「求められるのは嬉しいこと」芸歴50年超の現役司会者の現在
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「王子と寝ろ」突然のバス事故で“余命4日”ののち命を絶った女性…告発していた“エプスタイン事件”【11歳を含む未成年者250名以上が被害に】
NEWSポストセブン
世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン