人間が一生に出すうんこの量は、8トンにもなるという。生きている間には、悩んだり、挫折したりすることも多い。だが、悩んでいる間にも、人間はうんこを出し続けている。その量が積もり積もって8トン。すごいことではないか。
ぼくたちは今、「脳至上主義」に走りすぎている。脳の要求する刺激や快楽を求めて、技術や学問、社会を発展させてきた。それ自体はヒトをヒトたらしめるすばらしいことである。だが、ときには、いいうんこが出せる喜びにひたり、腸が満足する生き方を実践してみることも、生きものとしてあるべき姿のような気がする。
●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。2017年8月23日(水)に小学館カルチャーライブ!にて講演会を開催予定(https://sho-cul.com/courses/detail/27)。
※週刊ポスト2017年7月21・28日号