国内

子供が川で溺れたら… 「陸上から助ける」が基本

溺れた子どもを助ける時のポイントは?

 2016年に全国で発生した水難事故の発生件数は1505件、水難者数は1742人に上る。そのうち、およそ半数の816人が亡くなるか、行方不明となっている(警察庁生活安全局地域課調べ)。

 特に中学生以下の子供の死者・行方不明者を場所別で見ると、「河川」が全体の64.5%を占めている。

「見た目は平穏な川であっても流れは瞬時に変化するもの。大小さまざまな岩や石がある川には、多くの危険が潜んでいます。特に山地に源流を持つことの多い日本の川は流れが速いため、上流で夕立などがあると下流は一気に増水します。河川には、緊急時に救助してくれるライフセーバーなどがいない場合も多く、いざという時に救助や応急手当ができる体制も整っていないことが多いのです」(日本赤十字社の救護・福祉部 健康安全課の一瀬悦史さん)

 不安定な岩に飛び移って落下したり、苔の生えた岩で足を滑らせて傷を負うなど、一歩間違えば命を落とす危険が多いだけに、川では子供だけで遊ばせない、と肝に銘じておくことも必要だ。

 特に海や川へ出かけることの多い夏場に、守るべきポイントを、Safe Kids Japan理事長で、小児科医の山中龍宏さんと一瀬さんに挙げてもらった。

◆海や川などではライフジャケットを着用すること

「アメリカでは幼児を海や川に連れて行く場合は、親も一緒に入り、親の手が届く範囲内で泳がせることを推奨しています。そこまで徹底しないと充分安全とはいえません。それが無理でも、ライフジャケットを着用していれば、浮くことができるので、海や川に出かける際も着用してほしいのです」(山中さん)

 国土交通省海事局によれば、ライフジャケットを着用して海中に転落した場合、未着用に比べて生存率は約3倍に。

 ライフジャケットは数千円から購入できる。オレンジなど目立つ色を選び、ポケットにホイッスルを入れておけば、緊急時に笛を鳴らして危険を知らせることも可能だ。

◆子供が溺れても決して自ら助けに行ってはいけない

関連キーワード

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン