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2017.07.21 16:00  週刊ポスト

犯罪者を糾合して革命を起こす「犯罪者同盟」の評価と変節

 何年か後に、平岡正明は『あらゆる犯罪は革命的である』という本を出した。そうすると、戦時中に支那で捕虜を斬殺した戦争犯罪者も革命家だし、日本の敗戦直前に満洲に侵攻し略奪・殺戮・強姦の限りを尽くしたソ連兵も革命家である。ああ、革命家っておぞましいなぁ、とは思わなかったが、おかしなリクツを唱える人間がいるもんだなぁ、とは思った。

 犯罪者同盟については、1966年、梅本克己・佐藤昇・丸山真男の鼎談集『現代日本の革新思想』(河出書房、後に岩波現代文庫)で嘲笑されている。「犯罪者同盟なんて言うからどんなすごいことをするのかと思ったら、なんのことはない『悪徳の栄』一冊万引きしただけなんだな(笑)」と。

 この嘲笑に怒りをぶつけたのが吉本隆明である。『自立の思想的拠点』で、犯罪者同盟をこう擁護する。「やろうとしても万引きひとつできない半病人が何をほざくのだ。犯罪者同盟が安保全学連のなかから派生したということは、ロシア革命成立前史が証明するように、あらゆる政治闘争がその敗北と退潮の情況で生みだすものの象徴である」。

 例によって、日本語ではなく吉本語で書かれているから意味はよくわからない。ただ、その三十年後、吉本はオウム事件に際し、麻原彰晃を高く評価するとぶち上げた。まあ確かにねぇ、本の万引きどころか、地下鉄サリン事件だけで死者十三人、負傷者六千人の被害者が出たのだから、吉本が「麻原彰晃を高く評価する」のは、一貫性があるにはある。

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