一方、吉本隆明に擁護してもらった犯罪者同盟は、どうか。
どうやら、同盟は自然消滅したらしい。平岡正明は、後年、荻野アンナと組んで横浜の町起こしに尽力した。宮原安春は『祈り 美智子皇后』(文藝春秋)を出した。あるいは宮廷革命でも企図した本かと思って読んだが、そんな気配は微塵も感じられなかった。なんだかなぁと思う。バッカなことばっかり言ってたんだなぁ、と思う。
●くれ・ともふさ/1946年生まれ。日本マンガ学会前会長。著書に『バカにつける薬』『つぎはぎ仏教入門』など多数。
※週刊ポスト2017年8月4日号