ライフ

料理レシピ動画が「豚バラ」と「チーズ」を使いまくる理由

料理レシピ動画では豚バラ肉で巻きまくる

 これまで料理レシピはネットでも文字を読むものだったが、1分動画の増加によって変わりつつある。「クックパッド料理動画」「DELISH KITCHEN」「kurashiru」などで公開されている料理動画は、少しの早回しと字幕をあわせた1分程度のもので、文字よりも料理行程がわかりやすいと評判だ。動画が増えるにつれ、そこには文字のレシピには見られなかった極端な傾向が現れている。豚バラスライスとチーズの多用だ。

 SNSで流れてくる料理動画を参考にすることが多いという20代会社員の祐里子さんは、料理動画が増えてから、テキストと画像で記されたレシピ検索をあまりしなくなった。そして、豚バラスライスで様々な食材を巻くレシピには、とても重宝していると話す。

「これまでも料理はしてきたけれど、見た目が今ひとつでSNSに載せづらかった。でも、豚バラで何かを巻くレシピの料理は、写真に撮ってもキレイ。だからSNSに載せると『いいね』も増えるしコメントも多くなります。飽きられないように、1か月に一回か二回くらい、前回とはソースを変えるなど工夫して投稿しています」

 料理を写真に撮ってSNSに投稿する傾向は、若年層女性ほど顕著だ。10~20代女性を対象にした調査によれば、家で料理をする20代女性は70.9%にのぼるが、彼女たちの間でも料理動画の存在感が増していた。料理する女性のうち51.5%が料理を撮影しており、そのうちの半数以上がTwitterやInstagramなどのSNS投稿していることもわかった(TesTee調べ)。動機としては、「記録として残したかった」「友人の感想が欲しかった」などがあげられている。

 SNS投稿が好きな祐里子さんのような人は、料理動画を見て「いいな」と思うと、実際に料理をつくってみることも多い。そして、動画を参考にして作った料理をSNSに投稿する。料理動画の制作サイドは、SNSでの反響の大きさをみて、似たようなメニューを新たに開発して公開する。それを見た人が料理を作ってSNSに投稿し……と動画→視聴者→SNS投稿がぐるぐる回ることで人気レシピがつくられていく。そして、気づけば豚バラ肉で食材を巻くレシピが多数、誕生することとなった。

 巻かれているのはサヤインゲン、ゴボウ、アスパラガスなど肉巻き料理として以前から馴染みある野菜だけではなく、カイワレ、豆苗、モヤシなどの火が通りやすいもの、他にはタクアン、ガリ、焼きそばなど何でもありだ。なぜ、これほど多くの豚バラスライスで巻く料理動画があふれたのか。常連客から料理の相談を受けることも多いという都内の飲食店店主は、「失敗しないからですよ」と苦笑いしながら言う。

関連記事

トピックス

橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
フレルスフ大統領夫妻との歓迎式典に出席するため、スフバートル広場に到着された両陛下。民族衣装を着た子供たちから渡された花束を、笑顔で受け取られた(8日)
《戦後80年慰霊の旅》天皇皇后両陛下、7泊8日でモンゴルへ “こんどこそふたりで”…そんな願いが実を結ぶ 歓迎式典では元横綱が揃い踏み
女性セブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン