スポーツ

平成の甲子園を沸かせる新たな親子鷹が東海大相模に誕生か

東海大相模からまた新たなスターが生まれるか

 高校野球の雄・横浜高校と長きにわたってライバル関係にある東海大相模は、春の神奈川王者。投手陣はここにきて沖縄出身のエース左腕・安里海(あさと・うみ)が調子を上げている。

 同校といえば、1970年代に原貢監督と原辰徳氏(元・巨人)の親子鷹で甲子園を沸かせたが、今年のチームは門馬敬司監督の長男・大(ひろ)がサードを守り、さらに妹の花(1年生)がマネジャーを務める。

 数年前、「門馬監督の息子さんの目に自打球が当たり、大ケガを負った」という話は耳にしていた。「野球は続けられないかもしれない」とも聞こえてきたが、その心配は杞憂だった。とはいえ、彼の左目は今もほとんど見えていないという。それでも右打席に立ち、中軸を任されているのだから驚きだ。門馬監督は言う。

「柔らかい軟式球だったから、余計に目の奥まで傷ついてしまった。網膜剥離や白内障のように、手術で治るような状態ではなかったんです。左目が見えないわけですから、当然、左打席に立つことも考えました。試行錯誤しながら、なんとかやってきました。親子鷹で注目してもらっていますが、原のオヤジさん(貢氏)と比べられるような監督ではないですし、辰徳さんと比べられるような息子でもありません」

 平成の甲子園を沸かせる“新たな親子鷹”の誕生となるか。

 他に高校通算48本塁打の主砲・正木智也を擁す慶応も虎視眈々と甲子園出場を狙っている。

●文/柳川悠二(ノンフィクションライター/『永遠のPL学園』著者)

※週刊ポスト2017年8月4日号

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