ライフ

薬併用の危険 副作用や症状悪化招く「処方カスケード」とは

薬の併用で想定外の症状も

 病院で何種類もの薬を処方されても、「これも病気を治すためだ」と日々、忘れずに飲み続けている人は多い。だが、その努力は“逆効果”になってしまうかもしれない。薬の副作用や相互作用により、想定外の症状が発生することがあるからだ。健康リスクのボーダーラインは5~6錠だという。

 だが、医師がこれを「新たな病気の発現」と勘違いして新たな薬を追加処方し、その服用がまた新たな副作用や症状の悪化を招くことを「処方カスケード」と呼ぶ。カスケードとは英語で「物事が連鎖して続くこと」を意味する。

 医師が1種類の薬を処方する場合は、副作用を把握したうえで処方するので心配は少ない。2剤における相互作用は、医薬品の「添付文書」に示されている。ところが、「3剤以上の相互作用は未知数」だというのは、国際感食協会理事長で薬剤師の宇多川久美子氏だ。

「3錠以上に至っては現実的には検証は不可能だといわれています」

 都内在住の80代男性は、年とともに高くなる血圧を下げるために、それまで使用していた降圧剤とは別の種類に切り替えた。すると、その直後に咳き込むようになってしまった。男性が振り返る。

「あまりにも咳が辛かったので、持病の高血圧を診てくれている内科医にかかりました。すると医師は咳止めを処方してくれました。ところが、咳が止まらないんです。『おかしいな』と思い、今度はもっと大きな病院の医師を受診したところ、さらにもう1種類、咳止めを服用することになりました。しかし今度は酷い便秘に悩まされるようになった。もうろうとすることが増え、ある日の朝食後に、意識を失って病院に緊急搬送されました」

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
ゆずりあい、ぶつからないように配慮するつもりがまったくない「どかないおじさん」がいる(イメージ、時事通信フォト)
新社会人が戸惑う「どかない系おじさん」 大柄な男性には場所をゆずり、女性が接触すると怒鳴り散らす
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン