「あの騒動の時には、来店するお客さんが3割くらい増えましたよ」──そう語るのは、前川喜平・前文科次官が通っていたことで話題になった新宿・歌舞伎町の出会い系バーの副店長だ。
安倍内閣の支持率を急落させた加計学園問題。愛媛県今治市への獣医学部新設に絡んで〈総理のご意向〉があったとする文科省の内部文書を「間違いなく本物」と証言した前川氏だが、告発に踏み切る直前のタイミングで読売新聞(5月22日付)に次官在職中の「出会い系バー通い」が報じられた。前川氏が政権に不利な証言をすることを見越して、官邸筋がリークしたのではないかとも取り沙汰された。
騒動から約2か月後に同店を訪れると、店内は26席のうち約半分が埋まっている状況だった。取材対応した副店長が続ける。
「最初の報道が出た直後は、新聞や雑誌の記者の方たちが大挙していらしたからよかったんです。ただ、今はさっぱり。元に戻ってしまいました(苦笑)」
前川氏はこのバーに出入りしていたことを認めた上で、「女性の貧困の実態を見たかった」などと説明していたが、もう来店はしていないのだろうか。
「報道が出るしばらく前から、パタっといらっしゃらなくなりましたね。最近の国会なども見ていました。証言の内容についてはよくわかりませんが、来店していただいた時はスタッフにも丁寧に対応してくださって“いい人”という印象がありました。すでに要職も退かれたわけですし、ぜひまた来ていただきたいと思っています(笑い)」
加計学園問題を巡る疑惑の全容解明はまだ遠いが、前川氏が安心して出会い系バーに通える日はやってくるのだろうか。
※週刊ポスト2017年8月18・25日号