タイガー魔法瓶の氷削り器『きょろちゃん』(1978年発売)や、この秋、復刻版発売が話題となっている『ニンテンドークラシックミニスーパーファミコン』など、このところ、過去の人気商品の復刻が相次いでいる。だが日清食品が復刻したのはその真逆。禁断の黒歴史とは!?
ネットで今、話題沸騰となっているキャンペーンをご存じだろうか。“今度こそ売れてほしい”と、かつてザンネンな結果に終わった商品をあえて復刻するという英断を、日清食品が下したのだ。それが『日清の黒歴史トリオ』だ。
発売開始日は7月3日。特設サイトも公開され、その徹底した自虐っぷりに、10~20代の若者が食いつき、瞬く間に拡散された。例えばサイトの挨拶文はこうだ。
日清食品は、夏に弱い。
ブームにのって失敗すること、数知れず。
攻めて迷走。焦って自滅。
(中略)
今ならいけるかなって、思っちゃったんです。
なんか、すいません……
挨拶文に続いて、各商品の売れなかった理由を自社なりに分析。さらに、発売当時の商品リリースを晒し、自らツッコミを入れる始末。「押しつけがましさ、すごい」「あっさりこってり、結局どっちなの?」といった具合だ。
そればかりではない。当時の開発担当者のインタビューまで断行しているのだ。もちろん、その内容もやらせではなくガチンコ。今回の企画を知ったときの心境を聞かれ、「まあ、不名誉ですよね(にっこり)」と答える担当者や、「傷口に塩を塗るような企画だなと思いました」など、読んでいるこちらがハラハラドキドキするような内容となっている。
また、掲載されている担当者の顔写真は、目の部分に黒いラインが入っているのだが、よく見るとラインがずれて顔バレしている写真もあるなど、細部まで遊び心が満載。
さすが日清食品、というべきか。テレビCMで本社ビルを破壊してみせた(2016年12月放送)、“開かれた”社風が、今回の企画にも生かされている。
サイトが面白いだけではない。実際に食べてみると、どの商品も「なんで売れなかったの?」と思うくらいおいしいのだ。ただし、それは今の味覚だから。発売当時に食べていたら、正直「???」となったかもしれない。レモングラスがきいたトムヤム風スープのサマーヌードル、1995年発売はいくらなんでも早すぎ。他の2つは2002年発売の商品。それぞれ当時の自分の味覚や、どんな暮らしを送っていたのか思い出しながら食してみるのも一興だ。
追加発売なし、売り切れ御免の限定商品なので、店頭から消える前に急いで買いに行こう!
※女性セブン2017年8月24・31日号