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小田急が発表した新型は「白いロマンスカー」後継だというけれど…展望車復活は確定だが台車と「走る喫茶室」はどうなる?

このほど発表された新型ロマンスカーは前面展望を採用した車両デザイン

このほど発表された新型ロマンスカーは前面展望を採用した車両デザイン

 小田急ロマンスカーといえば、江の島や箱根への旅行の足としてだけでなく、通勤・通学にも使用され、1960年代から盛んになったレジャー需要にあわせた展望車など特徴的な車両のイメージとともに長く愛されてきた。そのロマンスカーに新型が投入されると発表されたことが話題になっている。ライターの小川裕夫氏が、従来の特徴が新型ロマンスカーにどのように受け継がれる予定なのかについてレポートする。

 * * *
 2025年11月17日、小田急電鉄は新型ロマンスカーとなる80000形を2029年3月から運行開始すると発表した。

 現在、小田急の看板特急となるロマンスカーは30000形EXE、60000形MSE、70000形GSEの大きく分けて3タイプが営業運転されている。そうしたロマンスカーのラインナップに、80000形が加わることになる。

 鉄道に詳しくなければロマンスカーと一括りに呼んでしまうが、現役ロマンスカーは3タイプとも開発コンセプトが異なっている。EXEは通勤・観光どちらにも対応できる車両で、それまでロマンスカーのウリでもあった展望車を廃止してビジネス利用に寄せた。そのため、観光目的でロマンスカーに乗車する際には、EXEを避けるファンもいる。MSEは東京メトロ千代田線と直通運転をするために開発されたので、地下鉄の規格に準じた車両構造になっている。GSEは観光利用を意識して展望車を設けながらも、通勤需要にも応えられるような日常性を持たせた。

 そうした流れがあるので、ロマンスカーを扱うニュースでは一般的には馴染みにくい○○形という呼称が使用される傾向にある。

引退した白いロマンスカーの後継

 違いを区別するのに便利な表記とはいえ、車両を数字で表現されると興味関心を引きにくい。看板特急でもあるロマンスカーを広く周知して多くの利用を促すため、小田急はロマンスカーにEXEやMSE、GSEという愛称をつけ、親しみを感じてもらえるような工夫を凝らしている。それでは、80000形にはどんな愛称がつけられるのか?

「新しいロマンスカーは70000形の次となる車両ですので80000形と表現していますが、まだEXEやMSE、GSEといった愛称は決まっていません。多くのロマンスカーが○SE
となっていますが、これはSuperExepressの略です。80000形は○SEになるかどうかも未定です。今後、愛称を検討していくことになりますが、社内で公募するのかといった選定過程も含めて詳細は決まっていません」と説明するのは小田急電鉄広報部の担当者だ。

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