日本全国にあるロッジ


 東京に開設された「東京メイソニック・ロッジ」は、日本人を受け入れようと、フィリピンのグランド・ロッジに申請を出して受け入れられた。1950年に、日本人が初めて参加を認められた。皇族では一時、東久彌宮殿下がメンバーだった。1955年には鳩山一郎首相が、第三階級のマスターメイソン(最上位の階級)となっている。

◆日本グランド・ロッジを訪問すると

 日本のメイソンは人数も増え、フィリピンのグランド・ロッジから独立する機運が高まった。1957年、東京に各ロッジの代表が集まって、日本グランド・ロッジの設立を決めた。初代グランド・マスターに選出されたのは、ベネズエラの外交官カルロス・ロドリゲス=ヒメネスだった。

 日本グランド・ロッジは同年中に、海外の12のグランド・ロッジから承認を受けた。現在、傘下に15のロッジを擁し、世界の150あまりのグランド・ロッジのほとんどと相互承認を結んでいる。

 このグランド・ロッジは、旧水交社(海軍士官の親睦団体)の敷地建物の払い下げを受けて、芝(東京タワーの近く)に所在している。会員のメイソンは、日本人よりも外国人のほうが多く、主に英語を用いている。

【日本グランド・ロッジによれば、同団体の会員総数は1972年に4786人を数えたが、それ以降は減少傾向にあるという。現在は約1600人。そのうち日本人は約200人という】

 内部をひと通り、見学させてもらった。ブルー・ロッジ(三階級の儀礼を行なう)の前の戸棚のようなところに、白いエプロンが何枚もしまってあった。

 儀礼のとき、メイソンたちが身につけるのだという。ブルー・ロッジは、長方形の部屋で、写真でみられるあちこちのロッジの内部と類似していた。

※小学館新書『フリーメイソン 秘密結社の社会学』より

●はしづめ・だいさぶろう/1948年生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。主な著書に『はじめての構造主義』、『はじめての言語ゲーム』、『ふしぎなキリスト教』(大澤真幸氏との共著)、『世界がわかる宗教社会学入門』『あぶない一神教』(佐藤優氏との共著)、『日本逆植民地計画』、『だめだし日本語論』(橋本治氏との共著)など多数。近刊に、『丸山眞男の憂鬱』など。

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