国内

若者の缶切り離れ 中学生の61%が缶切りで開けたことない

缶詰の開け方が分からない子供が急増中

 初の東京ドーム公演が決まるなど、国民的アイドルグループへと成長した乃木坂46。そんな人気絶頂の彼女たちにも思わぬ死角が…。

 かつて乃木坂46の冠番組『乃木坂工事中』(テレビ東京系)で、こんなワンシーンを繰り広げたことがあった。

 朝ご飯を母親に食べさせてもらっている過保護系アイドル・齋藤飛鳥(19才)を独り立ちさせるという企画。初めての缶切りに挑戦した齋藤だったが、「道具(缶切り)の意味もわからないし、(使い方を)教えてくれなくて…」と白旗。

 齋藤の言葉に、MCのバナナマン・設楽統(44才)が「やったことない人いる?」と他のメンバーに尋ねると、3~4人が恐る恐る挙手。その1人、乃木坂46のエース・西野七瀬(23才)が「怖い…」と答えると、設楽は「マジか!? 世代だよこれは!」と叫んだ。

 彼女たちはアイドルだから開けられないというわけではない。近年、缶詰の開け方がわからないという子供が急増している。

 2016年に日本気象協会「トクする!防災」が中学生を対象に実施した「缶切りを使って缶詰を開けたことがありますか」という調査によれば、「開けたことがある」は39%で、「開けたことがない」の61%を大きく下回った。

 缶詰が誕生したのは200年ほど前。日本缶詰びん詰レトルト食品協会の業務部普及課長の藤崎享さんが解説する。

「フランスのナポレオン皇帝が兵士たちの栄養補給にと、懸賞金をかけて保存食を公募したのが始まり。食料を容器に充填して密封し、加熱殺菌して長期保存できるようにしたものが採用された」

 当時は缶切りが存在せず、斧やハンマーで叩いて開けていたという。その後、1850年代に缶切りが登場する。

「日本では1871年(明治4年)に長崎でフランス人の指導の下、いわしの油漬け缶詰が作られた。以来、缶詰は一般家庭にも普及していきました」(同前)

 昔の缶詰は、上下蓋と胴で構成される「3ピース缶」が主流で、缶切りで開ける必要があった。だが、昭和40年代に手軽に開けられるイージーオープン缶が登場し、以降勢力を拡大する。

「業務用などの大容量缶詰は、堅牢性が要求されるため缶切りで開けるタイプの蓋が採用されていますが、スーパーなどで販売されている9割以上はイージーオープン缶。もはや缶切りの出番はないといっていいほどです」(同前)

 子供たちが缶詰を開ける機会はますます減っていきそうだが、一抹の寂しさを覚える人もいる。

「子供の頃、家族でキャンプに行った時、父親が缶詰をたくさん持って行っていました。カレー缶を缶ごと直火で温めて、アチアチ言いながら缶切りで開けて。ぱかっと開いた時においしそうな中身が出てくると家族は大喜び。父は誇らしそうでしたね。今でも缶切りを使うたびに、父を思い出すんです」(52才・主婦)

 便利になりすぎるのもそれはそれで考えものかもしれない…。

※女性セブン2017年8月24・31日号

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン