分野にもより広がりが期待できる。民主主義国では世界第2の経済大国でありながら、残念ながらこれまでのところ経済学賞を受賞した日本人はいない。幕府が勝っていれば関孝和(*2)に代表される和算がさらに隆盛していた可能性がある。

【*2/和算の大成者。縦書きの筆算式代数学を発明。円周の長さや円の面積を求める方法も樹立した。1642~1708年。】

 明治政府は和算を廃して西洋数学を採用したが、和算の研究が続いていれば日本独自の経済学発展に繋がっていたかもしれない。研究成果をうまく生かせばアメリカを超える世界最大の経済大国に成長していたのではと胸が躍る。

【PROFILE】村上政俊●1983年大阪市生まれ。東京大学法学部卒。2008年4月外務省入省後、北京大学、ロンドン大学に留学し中国情勢分析などに携わる。2012年12月~2014年11月衆議院議員。現在、同志社大学嘱託講師、皇學館大学非常勤講師、桜美林大学客員研究員を務める。著書に『最後は孤立して自壊する中国 2017年習近平の中国』(石平氏との共著、ワック刊)がある。

※SAPIO2017年9月号

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