国内

積水ハウスが63億円騙し取られた“地面師”男女の仰天手口

大手住宅メーカーはなぜ騙されてしまったのか

 東京五輪バブルを前にして活況を呈する不動産売買の“間隙”に潜り込んで、巨額のカネを騙し取る。そうした詐欺師は「地面師」と呼ばれる。裏社会で暗躍する彼らの存在が明るみに出た。その被害者は、大手住宅メーカー「積水ハウス」だった。【取材・文/伊藤博敏(ジャーナリスト)と本誌取材班】

 * * *
 大手住宅メーカー「積水ハウス」が8月2日に公表した「分譲マンション用地の購入に関する取引事故につきまして」と題したプレスリリースが、不動産業界に衝撃を与えた。

〈当社が分譲マンション用地として購入した東京都内の不動産について、購入代金を支払ったにもかかわらず、所有権移転登記を受けることができない事態が発生いたしました。顧問弁護士と協議のうえ、民事・刑事の両面において鋭意対応しております〉

 土地の価格は70億円、そのうち63億円をすでに支払っているとある。つまり積水ハウスは63億円の資金を投じた土地を取得することができなかった。“何者か”に騙し取られたのである。

 五反田駅から徒歩3分の一等地にあり、600坪がまとまって存在したこの土地は、長く不動産業界では有名な注目物件だった。

 坪単価は1000万円以上、東京五輪を見越した都心一等地の値上がりで100億円にも達すると見込まれる“金のなる土地”──70億円で買えるなら積水ハウスとしては出色の物件だったはずだ。積水ハウスは仲介の不動産会社を通じて“土地所有者”から購入する形を取った。4月の売買契約時に手付金として15億円、6月1日に所有権移転の登記申請を行なう際に48億円が支払われた。残りの7億円は申請完了後に支払う予定だったという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト